菜の花畑のじゅうたんの季節
南スウェーデンは菜種油の産地でもあるが、最近は他のヨーロッパの国々から輸入されたオリーブ油や安めの菜種油に押され気味だ。確かにスーパーに並んでいるのを見ると同じ菜種油でも値段がかなり違う。
菜の花がさかりのこの時期に、その菜種油の話をこんなところで聞いた。
「CETAに反対!」という集会を駅前でやっており、環境党(緑の党)と「左党」(もと共産党)の政治家や環境問題活動家がマイクをもって呼びかけていた。CETAというのはEUとカナダの間の貿易協定のことだという。「えーとカナダから何を輸入しているんだっけ?」と聞いていたら、食品としてではないようだがまさにこの菜種油が挙げられていた。安価で、しかもその大半が遺伝子組み換え技術でつくられたものだという。スウェーデンでは遺伝子組み換えで作られた菜種は栽培されていない。環境党の政治家が来ている理由もなんとなくわかった。
「ふーん、カナダってそういう国だったのか-」…カナダは遺伝子組み換え農産物が多く、トウモロコシ、大豆、じゃがいも等も多いのだとか。これはちょっとした発見だった。米国とEUとの交渉TTIPが暗礁にのりあげている間にカナダがEU進出をねらっているということなのだろうか…遺伝子組み換え農産物とかを売りまくるために?
もう一つこの集会を見て思ったことは、集まっている人たちの年齢の高さだ。この写真で話している人はおそらく一番若く、その他のメンバーはそろそろ引退かという感じの年齢だった。横断幕を持って立ち、来た人にビラを配ったりコーヒーを勧めたりする彼らの中にも、立ち止まって話を聞いている人の中にも若者は交じっていない。若い活動家はいないのか??というと、たぶんいるのだが若い人には貿易協定反対というのはあまりぴんとくる話題ではないのかもしれない。同じ集会やデモでもプライドフェスティバルだったらもっと華やかで人も何百倍も集まるのだが…

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