コタバルからまっすぐクアラルンプールに向かうのもつまらないから
…ということで、ビーチにやってきた。
ふらっと行って、気に入って宿があれば泊ればいいし…という感じで行ける島として最適なのがここカパス島。サンゴ礁が美しくダイビングで有名なレダン島やプルフンティアン島は陸から遠すぎるので無計画の旅には向いていない。コタバルからバスで船着き場まで行き、船に乗って20分ぐらいで着く。
ここに来るのは三回目だが、十年ぶり以上になる。主にマレーシア人の日帰り客と泊まっていくバックパッカーが訪れるようなところで、予約ができるようなまともな宿泊施設はなかったと思うが、今はどうだろう?
海はあいかわらずきれい!
やっぱり泊って行きたい!と思って数軒だけある宿(昔よりはモダン)に聞いてみたが、すべて「満員でーす」という返事…残念。がっかりしたところに「この人といっしょに最後に残ってるツインの部屋に泊まれば?」と宿のお兄さんが言う。なんと、私と同じように一人で泊まりたいけれど、ちょっと迷っているという人がいたのだ!「シェアしましょうか?」「ぜひ!!」ということで、私は若くて国籍不明の美女と一夜を共にすることになった。
どうして国籍不明などと書いたのかというと、彼女がかなりしっかりとイスラムの衣装(と言っても、これまで住んだ国では見たことがないような白を基調にした明るい色のもの。)をまとっていたからだ。こういう女性の一人旅というのは珍しいなあと思ったら、彼女はペルシャ系のフランス人だった。なるほど。
市場で買ったカレーおこわで昼ご飯。
隣の宿のレストランでいっしょに晩御飯を食べながらいろいろな話をした。彼女は離婚したところで、人生の転換期のまっただなかにおり、友だちからマレーシア旅行を勧められて一人でやってきたのだという。「買い物が楽しくて」と屈託なく言っていた。
翌朝の船で島を出て、もう一つビーチに行った。
…が、残念ながらここには長くいられなかった。
かつて住んでいた国のことを悪く言いたくはないが、こちらのビーチ(遠浅で、外国人観光客などが来ないようなところ)でのゴミの散乱のひどさはすさまじいものがあり、かなり気分がおちこんでしまった。ペットボトルのポイ捨て、散乱する使い捨て食器やストロー、ビニール袋。カメの産卵で有名なこの東海岸で。
カパス島はそれなりに有名な観光地で訪れる人のマナーもいいし、ビーチの掃除もいきわたっていたけれど、マレーシア全体がそのレベルというわけではないことがかなりはっきりわかった。
クアラルンプールに南下するバスの切符を買って、乗り込む。
バスの車窓からヤシ油の原料になるヤシの実を満載したトラックが何台か通り過ぎるのを見た。
私が住んでいた頃、マレーシアのヤシ油のプランテーションの環境破壊について自然保護団体からイギリス企業が強く批判されていたが、最近はアメリカの会社がインドネシアと東マレーシアでヤシ油のプランテーションを作るためにジャングルを破壊していう記事をあちこちで見かける。こういうのも悲しいニュースだ。
カパスの美しいビーチ。

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