6月は高校の卒業式の季節。
卒業生の一族郎党が校舎の外で今か今かと待っているとようやくセレモニーが終わり、開け放たれた扉からぴかぴかの卒業生が飛び出してくる。わーっと歓声があがり、しばし家族らとの抱擁と写真タイム。その後は学校や人にもよるけれど、一般的なプログラムはその後クラス別に巨大なトラックの荷台にのりこんで市内を一時間以上かけてぐるぐる回る。みんなこの日のために準備したドレスやスーツを着て、移民の子はその上にそれぞれの国旗をまとい、笛をふいたり太鼓を叩いたりしながら車の上で跳ねてどんちゃん騒ぎをする。
…というのが恒例なのだが、こんなことを今やるのはあまりに危険だろうと思っていたら、やはり「会場に来る家族は2人まで」「トラックはだめ」などのガイドラインが発表された。
いつもはトラックからの笛や歓声がうるさいけれど、今年はそれがないのか。せいせいするようなちょっと寂しいような…と思いながら市内を歩いていたら、ちょっと不思議な方向からおなじみの笛と歓声が響いてきた。
「えっ?」と思ってふりむいたら、運河に卒業生を乗せたはしけみたいなものが走っていた。これなら感染を防げるね!とはとても思えないけれど、確かにこれはトラックではない。なるほど…
ついでにこの高校卒業式と同様に人が大勢集まる危険な日と心配されていた4月30日のことを…。この日は春の訪れを祝うという名目で毎年人々が広場や公園に集まって飲んだくれる日で、私の勤め先のルンドでも駅前の大きい公園では昼間からビール瓶を持った大学生が集まり、日本のお花見のような人出になるのが常だった。
ルンド市は学生が押し寄せてこないようにその日は閉園にして塀をめぐらせたが、それでも塀を乗り越えて人々が宴会をしに来ることを恐れ、したたかな手を打った。下の写真は公園からの
報道の様子。「ルンド市立公園、1トンの鶏糞(肥料)を芝生に散布」

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