数年前にバングラデシュに逃れたビルマのロヒンギャ難民のための募金を携帯のアプリを使って送ったのがきっかけで、スウェーデンの国連関連団体や赤十字からスーダンやアフガニスタン、シリアについての募金を呼び掛ける携帯メッセージやメールが来ることがあったが、ごくたまに来るだけという感じだった。
が、先月(2月)から、毎日のようにウクライナの緊急事態に行動を!というお知らせが来るようになった。その時はまだロシア軍の侵攻はまだ本格的に始まっていなかったので「まだ難民なんていないんじゃないの?」などと私は能天気なことを考えていたが、それは全くの間違いだった。
ビルマのクーデターの時と比べるとスウェーデンの団体からのお知らせや寄付の要請が多いのは何といってもウクライナの地理的な近さのゆえだろう。チェルノブイリ原発事故が起こった時にソ連圏外で初めて警報が鳴ったのはスウェーデンの原発だった。風向きのせいもあったけれど、やはり近いのだ。ウクライナとは国境を接してはいないが、ウクライナの隣国のポーランドと南スウェーデンはバルト海をはさんで斜め向かい?にある。難民が発生したら近くの国々が受け入れることになるのは自明なので、国も地方自治体も各種団体も受け入れの準備を始めた。
戦争という悲しく恐ろしい事態になってしまったが、ネットでウクライナ研究者や在住者、また日本に住んでいるウクライナ人や日本で育ったウクライナ人が出演している配信番組が見つかり、ウクライナが身近に感じられるようになったことは唯一私にとってありがたいことだと言える。(でも私はロシアがクリミア半島を2014年に「併合」したことはニュースで見て知っていたのに、どうしてウクライナの人たちにとってそれがどういうことなのか考えたこともなかったのだろう?)
そしてボルシチは実はウクライナに起源をもつ料理だということも初めて知った。


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