2012/3/11
1年経ちましたね・・ 小話
ども、パインです。
今日は3月11日ですね。
昨年のこの日に日ノ本に大きな災害がありましたね、あの日の衝撃となんともいえない悲しさは1年経った今でも忘れる事は出来ません。
パインの住んでいる地は少し離れてはいたけれど、多くの人が心配の声をかけてくださいました。
あの日から1年、大きな支援は出来なかったけど、1年経ったからといってそれをやめることなく、小さくともできる範囲でやれる事をやっていきたいと思っています。
そんな、パインの思いを込めてSSを書きました。
こちらにUPしていた「SS」はHPに移動しました。
被災した当事者ではない自分がこんなものを書いていいのかとも悩みましたが、でも書かずにはいられなかったのでUPします。
なお、このSSは今月中はブログ内にUPしておきますが。4月以降はHPの方に異動させます。
今日は3月11日ですね。
昨年のこの日に日ノ本に大きな災害がありましたね、あの日の衝撃となんともいえない悲しさは1年経った今でも忘れる事は出来ません。
パインの住んでいる地は少し離れてはいたけれど、多くの人が心配の声をかけてくださいました。
あの日から1年、大きな支援は出来なかったけど、1年経ったからといってそれをやめることなく、小さくともできる範囲でやれる事をやっていきたいと思っています。
そんな、パインの思いを込めてSSを書きました。
こちらにUPしていた「SS」はHPに移動しました。
被災した当事者ではない自分がこんなものを書いていいのかとも悩みましたが、でも書かずにはいられなかったのでUPします。
なお、このSSは今月中はブログ内にUPしておきますが。4月以降はHPの方に異動させます。
2009/12/13
小話・7 小話
久しぶりの小話〜
クリスマスネタ出来たよ〜

********************
クリスマスプレゼント
2009年も押し迫る、12月。
世間は、クリスマス一色!
政宗と元親は、クリスマス・ソングも賑やかな、繁華街のメインの通りを歩いていた。
「はぁ、どこもかしこも、クリスマスだなぁ」
元親が、そう言ってきれいに飾られたショーウィンドウをのぞき込んだ。
元親が見ているそれは舶来品を扱う輸入雑貨の店。
「AN?」
元親につられて政宗もそれをのぞき込んだ。
二人の覗いたそれは、正にクリスマスなショーウィンドウだ。
星空をイメージしているのか、黒い幕の上に無数の星
、そしてその中に、金と赤と緑の小さな包みが無数に置かれていた。
「はは、星空みてぇだなぁ」
元親が思わずそう言う。
元親が星空と言ったそれは、サンタクロースがプレゼントを配る足跡を示した大きなタペストリーのようで、星の合間に置かれた小さなプレゼント達は、キラキラと輝く星の光を反射して、それ自体も光を発しているように見えた。
元親は、それを目を細めるように楽しそうに見ている。
楽しそうに眺める元親の横で、政宗は急に小さく笑った。
「HAHA」
小さく鼻で笑ったような声、それを聞いた元親は、政宗を見た。
いつもと変わらぬポーカーフェイス。
政宗が笑ったのは、自分があまりにもはしゃぎすぎたからなのだろうか?
元親は政宗に聞いた。
「なんだぁ、政宗、俺ぁはしゃぎすぎかぁ?」
そう言われて政宗は、元親を見る。
大柄でガテンな見た目とは裏腹に少しだけ恥ずかしいような顔で政宗を見ている。
政宗はそんな元親に、さっきより少しだけ大きく『HAHAHA』と笑った。
「なんだぁ、政宗そんな笑うことねえだろぅ」
元親の顔が、更に恥ずかしげに眉間に皺を寄せている。
政宗は、そんな元親を見てこんどは訂正するよう「HA」と笑った。
「Sorry元親、おめえを笑ったんじゃねえ、ちょっとな、自分のガキの頃を思い出したんだ」
政宗はショーウィンドウに視線を戻すと、そう言った。
「あぁ?ガキの頃?」
元親もつられてまたのぞき込む。
政宗はショーウィンドウをのぞきながら言った。
「このよ、小せえ、包みってあれだろ、TreeのOrnamentだろ」
「あぁ、そうだろうなぁ、最近はいろんな飾りがあるけどよぉ、プレゼントの形は俺等の小さかった頃からあったよなぁ」
元親がちょっと懐かしいように言う。
その横で政宗は、また小さく笑いながら言った。
「俺が小せえ頃に、近所の施設のChristmas treeにつけてあった、こんな包みのOrnamentをよ、全部壊しちまったことがあったんだ」
「あぁ、おめえがかぁ?」
「AA、そうだ、その中に、Presentが入ってんじゃねえかと思って、TreeにつけてあったそのOrnamentを全部、包みを解いて開けちまったんだよ」
苦い笑い顔でそう言う政宗に、元親は驚いたように言う。
「はぁ、小っさいとはいえ、おめえがそんなことしたのかぁ?想像つかねぇなぁ」
「HAHA、俺は悪ガキだったからな、ガキの俺は、小いせぇその中にも、もしかしたらPresentが入ってんじゃねえかと思ったんだ、まぁ、それやったあとは小十郎にめちゃめちゃ怒られたけどな」
「あぁ?怒られんのは、今も一緒なんじゃねぇかぁ」
元親の間を入れづのつっこみに、『確かになぁ』と政宗は笑う。
そんな、政宗に元親は言った。
「でも、確かに『ツリーの飾り』とはわかってても、あの中になんか入っていたらいいと思いはするよなぁ」
「AA、まぁ俺のガキのころは家の事情というか、あんま家族でChristmasとかってのはなかったからなぁ、でよ、そのTreeのOrnamentを壊した年に小十郎が、菓子が詰まったBootsを用意してくれてたんだよ、今思うと小さいやつだったけどよ、あんときゃうれしかったぜ」
いつもは、クールな政宗の顔が少しだけ照れているようにうれしそうだ。
元親はそんな政宗を普段あまり見たことがない事に気づき、自分も少しだけ嬉しいと思った。
・・12月23日・・・
「政宗、これやるよ」
いつもの待ち合わせ場所に現れた元親は、政宗に紙袋を渡した。
「AN?なんだ?」
政宗は渡された紙袋をのぞき込む。
「これは・・」
紙袋の中には、クリスマスのブーツが1つ入っていた。
「はは、1日早ぇけどよ、クリスマスプレゼントだ」
政宗は、驚きながらもそれを抑えるように言う。
「HA、俺は子供かよ」
元親はそんな政宗の言葉に顔をひきつらせる。
「なんだぁ、子供騙しだと思ったら大間違いだぜ、そいつの中には8つ袋が入ってんだ、いいか、明日24日から1ヶづつ開けろよ、そうしたらよ、一番下の最後の袋が31日、大晦日だ、そうすりゃよ正月まで毎日プレゼントがあるんだぜ、すげえだろぅ、まぁ、中身は大したもんじゃねぇんだけどよ、なんだ、ツリーの飾りのように空ってわけじゃねえからよ」
元親の突然のプレゼントに政宗は嬉しさがこみ上げる、だがそれを悟られるのは恥ずかしく、つい気持ちとは反対のことを言ってしまう。
「HAN、全部菓子だろ、Bootsって言ったら、菓子と決まってるからな」
「政宗、おめぇ・・、夢がなさすぎるぜぇ」
「AN?違えのか」
嬉しさを抑えている政宗に元親は呆れてしまうが、鋭い指摘に少々慌てながら言った。
「あぁ〜、明日から順番に確認しろよぉ」
「HA・HAHAそうだな、Thanks、元親」
明日はクリスマス・イブ、よりいっそう賑やかになった町並みが鮮やかだ。
クリスマスのイルミネーションが続く通りを、二人は肩を並べて歩いていった。
****************
政宗と元親の今年のクリスマスは
ホット
なクリスマスになりそう?

さてさて、元親のくれたブーツにはどんなものが入っているのでしょうか?
それは、24日のお楽しみ〜
ということで。

クリスマスネタ出来たよ〜


********************


2009年も押し迫る、12月。
世間は、クリスマス一色!

政宗と元親は、クリスマス・ソングも賑やかな、繁華街のメインの通りを歩いていた。
「はぁ、どこもかしこも、クリスマスだなぁ」
元親が、そう言ってきれいに飾られたショーウィンドウをのぞき込んだ。
元親が見ているそれは舶来品を扱う輸入雑貨の店。
「AN?」
元親につられて政宗もそれをのぞき込んだ。
二人の覗いたそれは、正にクリスマスなショーウィンドウだ。
星空をイメージしているのか、黒い幕の上に無数の星

「はは、星空みてぇだなぁ」
元親が思わずそう言う。
元親が星空と言ったそれは、サンタクロースがプレゼントを配る足跡を示した大きなタペストリーのようで、星の合間に置かれた小さなプレゼント達は、キラキラと輝く星の光を反射して、それ自体も光を発しているように見えた。
元親は、それを目を細めるように楽しそうに見ている。
楽しそうに眺める元親の横で、政宗は急に小さく笑った。
「HAHA」
小さく鼻で笑ったような声、それを聞いた元親は、政宗を見た。
いつもと変わらぬポーカーフェイス。
政宗が笑ったのは、自分があまりにもはしゃぎすぎたからなのだろうか?
元親は政宗に聞いた。
「なんだぁ、政宗、俺ぁはしゃぎすぎかぁ?」
そう言われて政宗は、元親を見る。
大柄でガテンな見た目とは裏腹に少しだけ恥ずかしいような顔で政宗を見ている。
政宗はそんな元親に、さっきより少しだけ大きく『HAHAHA』と笑った。
「なんだぁ、政宗そんな笑うことねえだろぅ」
元親の顔が、更に恥ずかしげに眉間に皺を寄せている。
政宗は、そんな元親を見てこんどは訂正するよう「HA」と笑った。
「Sorry元親、おめえを笑ったんじゃねえ、ちょっとな、自分のガキの頃を思い出したんだ」
政宗はショーウィンドウに視線を戻すと、そう言った。
「あぁ?ガキの頃?」
元親もつられてまたのぞき込む。
政宗はショーウィンドウをのぞきながら言った。
「このよ、小せえ、包みってあれだろ、TreeのOrnamentだろ」
「あぁ、そうだろうなぁ、最近はいろんな飾りがあるけどよぉ、プレゼントの形は俺等の小さかった頃からあったよなぁ」
元親がちょっと懐かしいように言う。
その横で政宗は、また小さく笑いながら言った。
「俺が小せえ頃に、近所の施設のChristmas treeにつけてあった、こんな包みのOrnamentをよ、全部壊しちまったことがあったんだ」
「あぁ、おめえがかぁ?」
「AA、そうだ、その中に、Presentが入ってんじゃねえかと思って、TreeにつけてあったそのOrnamentを全部、包みを解いて開けちまったんだよ」
苦い笑い顔でそう言う政宗に、元親は驚いたように言う。
「はぁ、小っさいとはいえ、おめえがそんなことしたのかぁ?想像つかねぇなぁ」
「HAHA、俺は悪ガキだったからな、ガキの俺は、小いせぇその中にも、もしかしたらPresentが入ってんじゃねえかと思ったんだ、まぁ、それやったあとは小十郎にめちゃめちゃ怒られたけどな」
「あぁ?怒られんのは、今も一緒なんじゃねぇかぁ」
元親の間を入れづのつっこみに、『確かになぁ』と政宗は笑う。
そんな、政宗に元親は言った。
「でも、確かに『ツリーの飾り』とはわかってても、あの中になんか入っていたらいいと思いはするよなぁ」
「AA、まぁ俺のガキのころは家の事情というか、あんま家族でChristmasとかってのはなかったからなぁ、でよ、そのTreeのOrnamentを壊した年に小十郎が、菓子が詰まったBootsを用意してくれてたんだよ、今思うと小さいやつだったけどよ、あんときゃうれしかったぜ」
いつもは、クールな政宗の顔が少しだけ照れているようにうれしそうだ。
元親はそんな政宗を普段あまり見たことがない事に気づき、自分も少しだけ嬉しいと思った。
・・12月23日・・・
「政宗、これやるよ」
いつもの待ち合わせ場所に現れた元親は、政宗に紙袋を渡した。
「AN?なんだ?」
政宗は渡された紙袋をのぞき込む。
「これは・・」
紙袋の中には、クリスマスのブーツが1つ入っていた。
「はは、1日早ぇけどよ、クリスマスプレゼントだ」
政宗は、驚きながらもそれを抑えるように言う。
「HA、俺は子供かよ」
元親はそんな政宗の言葉に顔をひきつらせる。
「なんだぁ、子供騙しだと思ったら大間違いだぜ、そいつの中には8つ袋が入ってんだ、いいか、明日24日から1ヶづつ開けろよ、そうしたらよ、一番下の最後の袋が31日、大晦日だ、そうすりゃよ正月まで毎日プレゼントがあるんだぜ、すげえだろぅ、まぁ、中身は大したもんじゃねぇんだけどよ、なんだ、ツリーの飾りのように空ってわけじゃねえからよ」
元親の突然のプレゼントに政宗は嬉しさがこみ上げる、だがそれを悟られるのは恥ずかしく、つい気持ちとは反対のことを言ってしまう。
「HAN、全部菓子だろ、Bootsって言ったら、菓子と決まってるからな」
「政宗、おめぇ・・、夢がなさすぎるぜぇ」
「AN?違えのか」
嬉しさを抑えている政宗に元親は呆れてしまうが、鋭い指摘に少々慌てながら言った。
「あぁ〜、明日から順番に確認しろよぉ」
「HA・HAHAそうだな、Thanks、元親」
明日はクリスマス・イブ、よりいっそう賑やかになった町並みが鮮やかだ。
クリスマスのイルミネーションが続く通りを、二人は肩を並べて歩いていった。

****************
政宗と元親の今年のクリスマスは




さてさて、元親のくれたブーツにはどんなものが入っているのでしょうか?
それは、24日のお楽しみ〜

2009/6/7
小話・6 小話
最近、妄想ばかり語ってたのでちょっと真面目?に小話UP。
てっ、いうか浮かんだ妄想がけっこう良かったので、文書にしてみた
離れていても、心が近い二人を書きたかったの
離れてても、ラブラブな二人だと思うから〜。

***********************
海の上で吹く風が、季節の移り変わりを教えてくれる。
生ぬるい風を肌に感じながら、元親は煌く波を眺めていた。
「はっ、だいぶん風が湿ってきやがったなぁ」
誰に、言うでもない言葉が風に乗って運ばれる。
近くに居た野郎共が、口々に相槌を打つ。
元親は、その光景に顔を綻ばせて笑った。
この時季の波は、一年の中でも特に美しいと、元親は思う。
冬の暗さもなく、かといって眩し過ぎる夏の強さも無い、だが適度な太陽の日が、柔らかく波を煌かせ、目に心地よい。
この時季になると、自然と海を眺めていることが多いことに気付く。
そして、眺めていながら、何時も同じ事を考えている。
「この綺麗な、眺めをあいつにも、見せてやりてえなぁ」
思わず口に出てしまった言葉に、自分で驚き、そしてそんな自分が可笑しくて元親は小さく笑った。
この光景を見せてやりたい奴、この戦国の世に「竜」と呼ばれる自分と同じ隻眼の男。
似ているようで、違う、奴と自分の目が逆であるように、目指しているものも、生き方も。
そんな奴に、だがこの眺めを見せてやりたいと元親は何時も思う。
何故見せてやりたいのか?理由はわからない、ただそう思うだけ。
もしかしたら、知り合ってまだ日が浅いときに、
『いつか、この地の果てまでゆったりと船で見てみたいものだぜ、Ha、その時はてめえの船をcharterさせろよ』
などと、言っていたのを、微かに覚えているからだろうか。
『ちゃーたー』という言葉の意味を後で知り、『俺の船を貸切ろうなんて、なんて図々しくて豪快な奴だ』、と思ったような気がする。
何にせよ、奥州の独眼竜にいつか、この船の上からいろんな海を見せてやりたい。
特に、今の時季の美しい波の煌きを。
「あぁ、そうだ・・」
元親は、急に何かを思い出したかのようにそう言うと、先日商売用に仕入れた貝細工の材料を数枚持ち出してきた。
装飾用に加工されたそれは薄く綺麗に磨かれている。
元親は、小刀でそれらを適当な大きさに割り、重機の模型を作る際の鑢で形を整える、そして、小さく穴を開けると、小さい順に糸で繋ぎ合わせた。
「よぅ、どうでぇ」
近くに居た野郎共に見せながらそう訊く。
「はぁ、こりゃぁ、なかなか、お日さんの光が上手い具合にはね返ってきれいですなぁ」
元親の作った、それをお世辞ではない、正直な言葉でかえしてくる。
「はは、そうかぁ、なら、上手く出来たってことだなぁ」
元親は、作ったそれを高く上げてみる。
すると、海の風に揺られたそれは、小さな波の煌きのようにゆらゆら煌いた。
元親は、次の港に着いたとき、奥州方面に行く商船に小さな包みを託した。
数週間後、奥州伊達の屋敷に小さな包みが一つ届けられた。
中には、螺鈿細工の小さな遠眼鏡と貝で出来た飾りのようなもの、そして、短い手紙が一枚。
『政宗、天気のいい日に障子を全開にしてこいつを軒下に吊るしてみたら、いいものが見れるぜぇ』
手紙には、このような内容が書かれている。
政宗は、包みの中から、糸で繋がったそれを摘み上げる。
元親の手紙に書いてある『いいもの』とは何を指すのか?少しだけ考えて、天気の良い日を待つことにした。
数日後、快晴の日がやってきた、政宗は、早速軒下にそれを吊るさせ、障子を全開にして部屋の中から見てみる。
綺麗に磨かれているそれは、日の光を反射して、キラキラと煌いている。
「ほう、こいつはなかなかきれいですな、おそらく螺鈿と同じような貝かなにかでしょう」
後ろで、小十郎がそう言葉を洩らす。
政宗はそんな言葉を訊きながら、それを眺めた。
少しばかり、風が出てきた、するとそれは小さく揺れて、更にキラキラと輝く。
障子を全開にしたせいで、風に揺られる木の葉の音が大きく聞こえる、目を瞑るとまるで波の音にも似ている。
そう思ったとき、政宗は『そうか』と気付いた。
元親の記した『いいもの』、それは『海』だ。
いつかゆったりと、船でこの世を見てまわる、元親と始めて酒を交わしたときに政宗は自分からそう言ったのを覚えている。
だが今の政宗にはまだその余裕は無い。
だからこそ、陸で天下を狙う政宗に、元親は『海』を届けたのだろう。
「HaHa、波の音に貝、そしてそいつが見せるその光が、海か波・・、まったくromanticistsな野郎だぜ」
政宗は呆れたようにそう呟く。
だが、元親の届けた海を見ていると、元親が近くに居るような気がして、暫くはこの海にいるのも悪くないと思った。
・・・届けられた海・・・
**********************
貝を細工している時のチカちゃんは、きっと楽しそうなんだろうねぇ
Web拍手いつも皆様ありがとうございます。
今月から、少しUPが緩やかになります
夏の大阪のイベントに参加したいと思ってますので、新刊の準備を始めなければ〜
てっ、いうか浮かんだ妄想がけっこう良かったので、文書にしてみた

離れていても、心が近い二人を書きたかったの

離れてても、ラブラブな二人だと思うから〜。


***********************
海の上で吹く風が、季節の移り変わりを教えてくれる。
生ぬるい風を肌に感じながら、元親は煌く波を眺めていた。
「はっ、だいぶん風が湿ってきやがったなぁ」
誰に、言うでもない言葉が風に乗って運ばれる。
近くに居た野郎共が、口々に相槌を打つ。
元親は、その光景に顔を綻ばせて笑った。
この時季の波は、一年の中でも特に美しいと、元親は思う。
冬の暗さもなく、かといって眩し過ぎる夏の強さも無い、だが適度な太陽の日が、柔らかく波を煌かせ、目に心地よい。
この時季になると、自然と海を眺めていることが多いことに気付く。
そして、眺めていながら、何時も同じ事を考えている。
「この綺麗な、眺めをあいつにも、見せてやりてえなぁ」
思わず口に出てしまった言葉に、自分で驚き、そしてそんな自分が可笑しくて元親は小さく笑った。
この光景を見せてやりたい奴、この戦国の世に「竜」と呼ばれる自分と同じ隻眼の男。
似ているようで、違う、奴と自分の目が逆であるように、目指しているものも、生き方も。
そんな奴に、だがこの眺めを見せてやりたいと元親は何時も思う。
何故見せてやりたいのか?理由はわからない、ただそう思うだけ。
もしかしたら、知り合ってまだ日が浅いときに、
『いつか、この地の果てまでゆったりと船で見てみたいものだぜ、Ha、その時はてめえの船をcharterさせろよ』
などと、言っていたのを、微かに覚えているからだろうか。
『ちゃーたー』という言葉の意味を後で知り、『俺の船を貸切ろうなんて、なんて図々しくて豪快な奴だ』、と思ったような気がする。
何にせよ、奥州の独眼竜にいつか、この船の上からいろんな海を見せてやりたい。
特に、今の時季の美しい波の煌きを。
「あぁ、そうだ・・」
元親は、急に何かを思い出したかのようにそう言うと、先日商売用に仕入れた貝細工の材料を数枚持ち出してきた。
装飾用に加工されたそれは薄く綺麗に磨かれている。
元親は、小刀でそれらを適当な大きさに割り、重機の模型を作る際の鑢で形を整える、そして、小さく穴を開けると、小さい順に糸で繋ぎ合わせた。
「よぅ、どうでぇ」
近くに居た野郎共に見せながらそう訊く。
「はぁ、こりゃぁ、なかなか、お日さんの光が上手い具合にはね返ってきれいですなぁ」
元親の作った、それをお世辞ではない、正直な言葉でかえしてくる。
「はは、そうかぁ、なら、上手く出来たってことだなぁ」
元親は、作ったそれを高く上げてみる。
すると、海の風に揺られたそれは、小さな波の煌きのようにゆらゆら煌いた。
元親は、次の港に着いたとき、奥州方面に行く商船に小さな包みを託した。
数週間後、奥州伊達の屋敷に小さな包みが一つ届けられた。
中には、螺鈿細工の小さな遠眼鏡と貝で出来た飾りのようなもの、そして、短い手紙が一枚。
『政宗、天気のいい日に障子を全開にしてこいつを軒下に吊るしてみたら、いいものが見れるぜぇ』
手紙には、このような内容が書かれている。
政宗は、包みの中から、糸で繋がったそれを摘み上げる。
元親の手紙に書いてある『いいもの』とは何を指すのか?少しだけ考えて、天気の良い日を待つことにした。
数日後、快晴の日がやってきた、政宗は、早速軒下にそれを吊るさせ、障子を全開にして部屋の中から見てみる。
綺麗に磨かれているそれは、日の光を反射して、キラキラと煌いている。
「ほう、こいつはなかなかきれいですな、おそらく螺鈿と同じような貝かなにかでしょう」
後ろで、小十郎がそう言葉を洩らす。
政宗はそんな言葉を訊きながら、それを眺めた。
少しばかり、風が出てきた、するとそれは小さく揺れて、更にキラキラと輝く。
障子を全開にしたせいで、風に揺られる木の葉の音が大きく聞こえる、目を瞑るとまるで波の音にも似ている。
そう思ったとき、政宗は『そうか』と気付いた。
元親の記した『いいもの』、それは『海』だ。
いつかゆったりと、船でこの世を見てまわる、元親と始めて酒を交わしたときに政宗は自分からそう言ったのを覚えている。
だが今の政宗にはまだその余裕は無い。
だからこそ、陸で天下を狙う政宗に、元親は『海』を届けたのだろう。
「HaHa、波の音に貝、そしてそいつが見せるその光が、海か波・・、まったくromanticistsな野郎だぜ」
政宗は呆れたようにそう呟く。
だが、元親の届けた海を見ていると、元親が近くに居るような気がして、暫くはこの海にいるのも悪くないと思った。
・・・届けられた海・・・
**********************
貝を細工している時のチカちゃんは、きっと楽しそうなんだろうねぇ

Web拍手いつも皆様ありがとうございます。
今月から、少しUPが緩やかになります

夏の大阪のイベントに参加したいと思ってますので、新刊の準備を始めなければ〜


2009/4/20
小話-5 小話
小話出来た〜
3月末あたりから暖めていたネタ〜←(ネタ?
)
バ○ルヒーローズのオープニングを見て書きたくなりまして〜、
やっと出来た。

今回は「小十・チカ」気味?
なかなか難産でした、
なんか最後がなかなか決まらなくて〜
でも、出来た良かったよ

小話--「陽だまり」
********************
元親は、ユラユラと揺れる波に反射された月の光を見ていた。
自国では、桜も満開となる時期。
見張り台で一人、海を眺めながら冬から春に向かう季節の替わりを、寒さの緩んだ空気に感じていた。

3月末あたりから暖めていたネタ〜←(ネタ?

バ○ルヒーローズのオープニングを見て書きたくなりまして〜、
やっと出来た。


今回は「小十・チカ」気味?
なかなか難産でした、


でも、出来た良かったよ


小話--「陽だまり」
********************
元親は、ユラユラと揺れる波に反射された月の光を見ていた。
自国では、桜も満開となる時期。
見張り台で一人、海を眺めながら冬から春に向かう季節の替わりを、寒さの緩んだ空気に感じていた。
2009/1/29
冬の海 小話






「政宗、もう寒ぃから帰ぇらねえかぁ?

元親の情けない声が蒼い海に吸い込まれる。
政宗と元親は船の上にいた。
この、クソ寒い冬の海になぜ二人がいるかと言うと、
何時ものごとく政宗の我侭な一言からであった。

「HEY、冬のこの地を海の上からみてみたいと思わねえか?」
「ま・政宗様?またそのようなっ

「こう寒いとよう、あんまり体を動かしたくなくなるだろう?だからこそ、自分に鞭うってやりたくなる時があんだよ、なあ、元親!」
「ぅえ?俺?」
「てめぇ、政宗様に余計なこと吹き込みやがったな」
「ええ?冬の海は、波が荒くて危ねぇって言っただけだぞ?」
「HA・HA〜N、だからこそだ、その波を乗り切って冬の景色を見てやろうってことだ。」
「政宗様、冬の海は貴方様が考えている以上に危険なものですぞ」
「そうだぜ政宗、わざわざ冬の海に出るなんてよぉ、やめたほうがいいぜぇ」

てな会話が交わされたのが3日前、小十郎の前では諦めたかのように見せかけた政宗であったが、小十郎の監視

「大丈夫ですかい?アニキ

野郎共も心配する中、元親は奥州に来るたびいろいろと世話になっていることもあり、しかたなく政宗の我侭に付き合うことにしたのであるが。
『海から帰ったら俺も政宗も野郎共も兄さんに大目玉だな

と覚悟しながら船を出した。
「いいかぁ政宗、あんまり波が荒いようならすぐに引き返すからなぁ」
「OK、元親」
政宗にそのように言い聞かせて出た海は思いのほか穏かであった。
「HA、見ろよ元親、いい具合に全体が見えてきたぜ」
真っ白い息を吐きながら政宗が嬉しそうに目を細める。
「あぁ、こうやって改めて見ると壮観だなぁ」
二人が並んで海から景色を眺める。
元親にとっては何時もの風景であるが政宗にはあまり馴染みのない景色だ。
この地で暮らしている政宗にとって特別な景色なのだろうと元親は感じた。
「でもよぅ、わざわざ、今の時季じゃなくてもいいんじゃねえかぁ?」
独り言のように元親が呟く。
そんな元親の言葉を聞いてか政宗がニヤリと笑った。
「モトチカ〜オ〜タカラ〜」
元親の相棒の鳥が一声鳴く、二人して眺める景色が薄い冬の日の光にほんのりと輝くように見えた。
「HEY、なかなか風流なこと言うじゃねえか」
「そうだろぅ

「HA、だが俺だったらもっと賢いこと教えるぜ 」
「・・賢い?・どんな言葉だぁ?」
「I LOVE YOU」
「どうゆう意味だ?」
「お前が好きだって意味だ」
「は・はは・・、誰に言ってんだかなぁ」
「聞きてえかぁ?」
「・・・・・遠慮しとくわ・・

「HAHAHA」
暫くして、風が少し強くなってきた。
元親は風に体温を奪われて冷えてきたことを政宗に告げる。
「政宗、もう寒ぃから帰ぇらねえかぁ?たぶん兄さんも心配している・・」
「A〜NN?寒い?情けねえなぁ元親」
「なんだぁ、寒ぃもんは寒ぃんだよ」
「HA・HA〜、俺はお前えがその寒さに耐えかねて手前ぇから、俺に暖めてくれと言って来るまで帰らねえぜ〜?

「なっ何言ってやがる?

元親のうろたえっぷりにニヤニヤと政宗が笑う。
「HA〜、俺とお前えの根競べだ〜〜〜

「・・・・・・・・・・・・・・





冬の海の冷たさにどこまで耐えられるか、元親は自分の南国生まれを、少しだけ恨んだ。







久しぶりの小話





