今日は食欲も戻り、残るは殿部と脛の若干の痛みだけです。いよいよ、完走記に入ります。
野辺山ウルトラマラソンのスタートです。雨の中、走り始めると膝下まである雨カッパが走りにくく、5キロの給水所で脱ぎ、そして、約10キロ地点から山道に入ると、トイレに行きたくなりました、なかなか、走りに専念できません。すぐにトイレがあったので順番を待ち、用を済ませ(約5分のタイムロス)、未舗装の山道を上り、最高地点を過ぎて、また、トイレに行きたくなりました。標高約1,900mで脇道に雪も残っていました。とても寒く、ストレッチをしながら、6,7人の順番を待ちました。
特に印象に残っているのは、後ろに並んでいた女性の細腕の鳥肌です。トイレ休憩なしに100キロは走破できないのでこれもウルトラだと思い、待つしかありません(約12分のタイムロス)。もらさないように我慢しました。(笑)
20キロから50キロまでの約1,000mの下りはあまり記憶に残っていません。たぶん、順調に走ったのでしょう。覚えているのは、雨風の強い中、給水所でボランティアをしてくださっている方のやさしさです。雨に濡れながらも「頑張って」と声援を送って下さり、感謝の気持ちとともに、絶対、完走してやるとその時は心に誓いました。
42キロポイントでは、濡れたシューズやシャツの着替えだけをしました(約12分のタイムロス)。本当はゆっくり着替えをしたいのですが、これもウルトラです。そして、走り始め、アップダウンの連続をクリアして、50キロポイントでもトイレを済ませ、おにぎりと味噌汁をいただきました。58キロポイントでは2回目の着替えをして、ここでも、おにぎりと味噌汁をいただき、着替えは上着のみで、また、走り始めました。(約9分のタイムロス)。
ジワリジワリと脚が重くなってきました。下りはまだ走れますが、上りはきつく、それでも何とか、71キロ地点に到着して、ファイテンの方にマツサージをしてもらい、すぐにレースに復帰しました。
いよいよ、絶壁に感じる先が見えない75キロ地点の馬越峠に着きました、しかし、もう走れません。走れませんが歩きもしません。腕を大きく振り、早歩きで一歩ずつ登りました。(歩いているじゃんと突っ込むところです)
カーブを一つずつ乗り越え、足もとがふらつきながら、やっと給水所に着きました。この地点では、もうすでに胃がムカムカしていて食事を摂ることはできませんでした。水だけもらい、スタッフに「登りはあと何キロですか?」と聞くと「あと2キロです」とのことでした。聞くんじゃなかった。あと、2キロも登れません。もうダメです。限界です。今年はリタイアしよう。・・・・・。(2回走ったことがあるのに、その時は思考能力が低下していたのだと思います)
いや、一回リタイアしたら、来年もこの地点でリタイアしてしまうだろう。もう少し頑張ろうと思い直し、一歩ずつ前へ進みました。次のカーブ、次のカーブの先が頂上か、と考えても先が見えません。
やっと、スポンサーの旗が見え、79キロ地点頂上の給水所にたどり着きました。ゴールもしていないのになぜだか、涙があふれていました。その時、人目もはばからずに「ウォー」と言葉にならない声を発してました。今年も自分に勝ったぞー。ヤッター。
つづく。

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