
■木曜日は、夜8時まで講義があります。大学院の講義です。後期、最初の講義を終えて、帰宅しようと校舎の階段を降りていると、後から「わきたさ〜ん」と大きな声で追いかけてくる人が…。同僚の村澤真保呂さんです(「真保呂」と書いて、「まほろ」とお読みします。私よりも10歳近く若い研究者です)。「これ、読んでください」と、一冊の本を手渡されました。ガブリエル・タルドの『模倣の法則』です。村澤さんは、これまでも数多くの翻訳を手がけてこられましたが、この『模倣の法則』は、最新のものです。村澤さん、ありがとうございました。
■村澤さんは、フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースの思想から、ジャック・ラカンの精神分析理論へ、そして社会と精神疾患との関連に焦点をあてて研究されてきましたが、最近は、グローバル化にともなって急激に変動する現代社会と個人精神の関連に関心をむけて、具体的な領域と抽象的な領域、マクロな現象とミクロな現象に通底する、歴史的・社会的運動の論理を探ろう試みておられます(
村澤さんのHPにある「
研究テーマ」を参照してください)。なんだか、難しそうな感じがするかもしれませんが、今回のエントリーは、この村澤さんが翻訳されたタルドの『模倣の法則』です。