
■少し前のことになってしまいます(いつものことで、申し訳ないのですが…)。6月の初め、私が勤務先の大学で担当している1年生の授業、「社会学入門実習」(必修)で「1泊2日」の現地実習に出かけました。訪れたのは、奈良県にある宇陀市大宇陀区松山地区と橿原市今井町です。
■古い町家などの歴史的建造物が集まる地域を保存するために、地域住民の皆さんと市町村が協力しあいながら、条例等によって、その地域を「伝統的建造物群保存地区」に指定することがあります。このような指定された地域のうち、特に価値が高いものについては、国(文部科学大臣)が「
重要伝統的建造物群保存地区」(「重伝建地区」)として選定します。現在、全国で81地区(2007年3月現在)が選定されていますが、今回訪れた松山地区と今井町もその中に含まれています。
■古い町家や町並を保全していくことは社会的に大切なことですし、歴史的な情緒あふれる落ち着いた町並みを歩くことは、外から訪れる者には貴重な経験です。しかし、そこに暮らし続ける地域住民の立場からすれば、様々な問題が存在しています。今回、学生たちは、そのような問題を地域の関係者の皆さんからお話しをうかがうことになりました。今回のエントリーでは、特に、奈良県橿原市今井町に関して報告してみたいと思います。
■トップの写真、今井町にある今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」です。もともとは、高市郡教育博物館として明治36年(1903)に建てられました。大正天皇が御成婚に際して、神武天皇陵を参拝されたときの御下賜金によって建設されとのことです。後に今井町役場としても使われてきました。観光ボランティアの女性から解説をうかがっているところです。