■幼稚園の年長と小学校は4年生まで、私はカトリック系の学校で学びました。大学や大学院はプロテスタントでした。もちろん、幼稚園や小学校は親の方針で通わされたわけですし(両親はカトリックの信者ではありませんでしたが…)、大学・大学院も、入学したところがたまたまプロテスタントであった…というのが正確かと思います。大学に入学後も、特別にキリスト教に関心をもつということはありませんでした(キリスト教学等は必修科目でしたが)。で現在はどうかといえば、勤務している龍谷大学は浄土真宗本願寺派(西本願寺)の宗門校にあたります。なんだか、節操がない…そう思われるかもしれませんね。でも、これもある意味たまたまなのです。教員募集に応募した結果です。仏教系の大学であるということは知っていましたが、応募のさいに特別深く考えたわけではありません。
■しかし、です。歳を取ってきたこともあり、宗教というものに対する考え方が大きくかわっていたことに気がつきました。せっかく、この大学に勤務するのだから、これをご縁に少し浄土真宗や親鸞聖人、そして仏教のことについても自分なりに勉強してみよう、…そのように思ったのでした。仏教の専門書はとても読めませんが、一般向けや、やや専門的なものまでを中心に本を読んできました。そのことは、自分の人生にとっても意味のあることだったように思います。老いていく人生を実感するとき、仏教の考えかたは大きな示唆を与えてくれるように思うのです。タイトルにある「親鸞展」も、そのような自分なりの勉強の一環としてとても楽しみしているのです。
■浄土真宗では、親鸞聖人の命日のなかでも、50年毎の節目にあたる年忌法要を「大遠忌」と呼んで大切にしています。今年は
親鸞聖人750回大遠忌にあたります。浄土真宗を含めた真宗十派(真宗教団連合)では、この750回大遠忌を記念して「
親鸞覧 生涯とゆかりの名宝」を開催します。会場は、京都市美術館です。開催期間は、3月17日〜5月29日です。以下が開催趣旨です。