先日、ノブは食事中に吐いてしまいました。
本人はとても気にしていて、「もうしません」と繰り返していました。
その原因は。
ノブにとって、食事の時間は楽しい時間ではありません。
食卓に並んだ料理を睨みつけ、一気に平らげてしまいます。
目の前から料理を消滅させたいのです。
あわてているなと思っていたらノドに詰めてしまい、今日やっちまいました。
めったにありませんが好きなものはじっくり味わって食べます。
そうでないものは、一気に目の前から消し去ろうとするのです。
昔、食事指導をしたことがありました。
何回か書いたので記憶にある方が多いとおもいます。
好きでないものを無理やり胃の中へ送り込むのです。
そうしなければ、食事の時間を切り抜け次のイベントに進めなかったからです。
食事とは、目の前の料理を胃のなかに無理やり詰め込むことなのです。ノブにとって。
むごい時間だったのです。知らなかったとはいえなんとむごいことをしてきたのでしょう。
「食べんでもええやんか。」
ノブは大人になって、だんだん太ってきました。
今でも偏った食事をしているのに、なんと太ってきているのです。
この有り難い日本、どんな食べ方をしても必要な栄養は十分に供給できるのです。
今、私たちはノブの体重を気にしています。食事制限が必要かもしれません。
なんと滑稽なはなしでしょう。
そして、なんとむごく、自分勝手な話でしょう。
小さい時は食事指導(へんしょく指導)、大きくなってから食事制限。
ノブを食事の嫌いな人間にしておいて、私たちはまだノブに何か制限をしろと言う。
「もうしません。」は、私たちがノブにあやまることばであって、ノブが口にする言葉ではありません。
本当の指導、導くとは何かを熟考しながら、「もうしません。」を繰り返すノブ父です。

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