今年もスポーツ大会のシーズンになりました。
ノブは今年も1500mを走ります。
このところ体重がやや増え、練習も十分ではありませんが、このイベントはノブ父のこだわり。ノブにつきあってもらいます。
1500mのメンバーはだいたい固定しているのですが、年とともにリタイアしていき、その替わりに年少者が入ってきます。
さて、今年のノブはどの辺で走るのでしょうか。
いつものなじみが4人とあと初顔が数人います。
今年はあれこれ策せずに自由に走らせてみようと思っていました。
ノブは3組目のスタートです。
靴紐を確かめて、いつものように準備を進めます。
スタートの時刻となりました。
とりあえず最年少のメガネ君についていくように指示します。
ノブは勢いよく飛び出し、メガネ君についていきます。
この時点で2位です。
その調子でいけ!
有り難いことにこのところノブが1500mに出ることを皆さんが知ってくれるようになり、トラックのあちこちでノブを声援してくれます。
伴走して声援してくれる方もだんだん増え、ノブは常に後押しされている状態です。
こうなるとノブは走るんです。
3周目にはついにトップに踊りでました。
鐘が鳴りました。あと1周です。
ゴールまであと200mのところまで1位です。このまま走れと皆が思った瞬間にノブが止まりました。
「どうした?」
ノブは悠然と靴の紐を直し始めました。
これが気になると直すまでは走り出しません。
靴紐を直している間に2人に抜かれてしまいました。
声援を受けて俄然走りはじめましたが、結局そのまま3位でゴールしました。
みんなノブが速いことはよくわかってくれています。
そして、靴紐を直すノブのこともわかってくれています。
そしてだれもの中に「ノブは速い。でも大事なところで靴紐をなおす。わかっているけどなんだか悔しい。」という思いが。
ノブを応援してくれた皆さんはもう来年の策を話し合っています。
それほど悔しいのです。
靴紐に工夫が必要とか。トラックでの声援の役割を決めるとか。
なぜだかノブの1500mにみんな係わってみようと思ってしまうのです。
そんな周りの思いの中で、ノブは汗ビショの顔をタオルで拭きながら、うまそうにジュースを飲み干していました。
ノブ、今年も楽しませてくれて有り難う。
そして、来年もみんなで力をあわせてがんばるぞ!

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