暑さが又戻ってきた様な太陽の照りつけだった。ゴミ燃しをしてから、田沼に向かう。今日は、少し行程が長いので、コンビニで食料を買い込んだ。畑中に入ると、三床山が空に向かって立っているのが、眺められた。
鹿嶋神社の駐車場に車を止め、支度をして歩き始める。一床山への道は、荒れていて、下草が覆っていた。左に湿地が見えると道は良くなった。間もなく、小沢を渡り、林道に出た。暑い。汗が滴り落ちてくる。
取り付きの山際の道は、誰も入らないのだろう、草が延び放題になっている。林道終点から山道に少し上がり、右手の踏み跡から斜面に取り付いた。踏み跡はすぐに消えた。テープも無い。右側の山の端を足を滑らせながら、登っていく。薮の薄い所を探しながらしばらく進んでいくと、木にテープが巻かれ、標識が付けられている場所に出た。
ここからは、踏み跡ははっきりとしてきた。しかし、急斜面の登りにかなりの汗を絞られた。やがて、道標の立つ尾根上に出、しばらく、見晴らしのいい細尾根を気持ちよく歩いていく。両側に景色が広がっている。風の通りもいい。
尾根のコブで一休みする。汗をかいた身体に風が気持ちよくぶつかってくる。少し下り、岩尾根を上っていくと、360度の展望が広がる『一床山』山頂だ。此の山並みで、一番の展望台である。皇海山や袈裟丸山も認められた。日光白根は、頭をチョコンと出している。目の前に寺久保山が大きい。鳩ノ峰も見えている。
十分に展望を楽しんでから、岩場を下り始める。尾根上には岩が多く、アップダウンを繰り返しながら進んでいく。ここの尾根もなかなか面白い。展望もある。間もなく、松の木の立つ『二床山』に登り着く。松の木の根元に腰をおろし、木にもたれて、空を眺めた。
木々の葉がサワサワと音を立てている。真っ青な空に、すじ雲がゆっくりと動いている。赤とんぼが賑やかに空を舞っている。いい、実にいい。一時間近くも、至福の時を過ごしてしまった。
急な斜面を下り始める。小さなピークに立つと、正面に大きく『三床山』が見えている。左から回り込むように尾根は続いている。次のピークも眺めは良かった。大きな岩が現れ、右へ左へと避けながら進んでいく、やがて、少し下り、急な岩の混じった斜面を上っていく。道は、ロープに沿って続いていた。
汗ビッショになって、石の祠の鎮座した『三床山』に登り着いた。南側に少し展望のあるだけの、木々に囲まれたピークだった。手を合わせてから、下山に入る。今にも転げ落ちそうな斜面を慎重に下っていく。
長い下りが終わり、小さなコブを一つ越すと、間もなく、左手にゴルフ場が見え始める。更に木々の中の細い道をしばらく下り続けると、右手に沢が現れ、林道に飛び出した。鹿島神社にお参りしてから、駐車地に戻り、暑いが、変化のある、気分いい、山歩きを終えた。

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