お勝手と居間のガラス拭きをした。随分と汚れているものである。残りの部屋は、徐々にと、午前中はおしまいにして、桐生に向かう。金葛歩道広場に車を止め、お稲荷さんを食べてから、歩き始める。
吾妻山の山並みが綺麗に見えていた。いい気分で歩道を歩いていくと、(狐の嫁入りの道)と書かれた板を見た。以前には、無かったものである。正面のピークに立つ東屋が見える。左手には、目指す(雨降山)が見え始めた。
新しいガードレールを過ぎると、チェーンの張られたゲートになり、中尾根からの遊歩道に合流した。総合案内板が立っている。左へ、仙人ヶ岳方面へと林道を歩き始める。間もなく、(←アメフリ山)の標識があり、左の笹の中の尾根道へと入っていく。
刈り払いがされていないので、下草が延びていた。遊歩道は、丸太が埋められているので、迷うことは無かった。木の柵に沿って登り詰めると、山名標識のある『雨降山』山頂だった。二つのピークを見せて、吾妻山が見えるが、周りの檜が延びて、以前ほどの展望は無かった。
丸木に腰をおろして、汗を拭いた。しばらく時間を過ごしてから、柵に沿って下り始める。柵は間もなく無くなり、檜の植林の端を進んでいく。右側の見晴らしが良く、檜の枝の間に、大形山や柄杓山も見える。
間もなく、林道に出て歩いていると、軽トラが上がって来て、(ここは、うちの山なんだよ、きのこをやっているんだ。以前、十数人が歩いて来て、キノコを随分と持って行かれた。ここは、歩いて欲しく無い。頂上に看板を立てておいたんだけどな。)と穏やかな口調だったが、目は、怒っていた。
何度も、何度も謝って、その場を離れた。車道に出、少し歩いて、金葛歩道広場に戻った。気持ちいい、山歩きが、嫌な気分になってしまった。きのこを持ち去る奴と、同類と見られた様で、辛い。
嫌な気持ちを払拭しようと、更に歩いて、橋を渡り、寝釈迦に上った。ここで、男性と会ったが、思いすごしなのだろうが、その男性は、不機嫌の様な顔をして、去って行った。観音山まで、歩いて、しばらく丸木のベンチに腰をおろして、ボッ〜としていた。
静かな雰囲気がいい。仙人ヶ岳へと続く山並みが見え、雨降山や手前下の東屋のピークも見えていた。吾妻山の山並みも、鳴神山へと続いているのが、よく眺められた。気持ちのいいピークである。
気分も良くなった。さてと、下ろうかな。

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