朝、忙しかった。床の間の清掃を言い渡され、雑巾で綺麗に拭き清め、終わってから、廊下と繋ぎ廊下、それに、部屋のガラス拭き、大汗をかきながら、やっと、12時に終わり、支度をして、鳴神山へと向かった。
樹徳山荘登山口に着いたが、駐車場は、学校の敷地だから使うな、との看板が立っている。登山口の道標があるのに、駐車場が無い。困ったものである。勝手に置くのも癪なので、仕方なく、(コツナギ橋)まで走り、手前のスペースに車を止めた。ここから上ることにする。
杉の林の中をのんびりと進んでいく。間もなく、沢に沿った道になり、沢音を聞きながらのんびりと歩いていく。沢を何度も渡り返していく。何故か、ワイヤーが道に続いていた。ワサビ田が現れたが、今は使われていないようだった。
間もなく、沢は、二股になり、左へと歩いていく。しばらく歩くと、トラロープの張られた(カッコソウ保存地)になった。五月中旬頃は、斜面は、ピンク色に染まり、とても綺麗になる。
少しの上りで、石祠の祀られた(椚田峠)に着いた。静かな峠で、気持ちいい。しばらく、倒木に腰をおろして、峠の雰囲気を味わった。辺りの木々の葉は、まだ秋色には、少し早い。
腰をあげ、山頂を目指して上がり始める。広い尾根の歩きは、なかなか気分がいい。少しの急登で、二基の石祠のある、『仁田岳山』に着く。周りの石が落ちていた。更に少し歩くと、360度の展望のある『鳴神山』山頂である。
凄い眺めである。八ヶ岳や浅間、赤城山、西上州の山並み、上州武尊や皇海山、袈裟丸、男体山や白根山など、日光の山も見える。三峰山や大平山、吾妻山や経塚山などなど、上げたらきりがない。
長い時間、広がる風景を楽しんでから、下山を始めた。(肩の広場)から下り始めて、驚いた。かなり荒れていた。道は、石に覆われていて、歩き難い。一時間近く掛かって、やっと登山口に着いた。これでは、同じ道を戻った方が良かったかな―などと思いながら、車道をコツナギ橋まで歩いた。しかし、素晴らしい景色だった。

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