桐生川に沿って、車を走らせる。朝、なかなか起きられず、全身汗びっしょになっていた。風邪をひいた様である。家を出たのが、昼を過ぎてしまったので、明るいうちに帰れるかどうか心配だ。
穴切峠へと続く林道に入り、300m位走った所のスペースに車を止め、鈴を付けて歩き始める。右下の穴切川の清流がとても綺麗だ。小さな滝が現れ、白くなった水の流れの美しさに目を細めます。
しばらく歩くと、林道は終わり、細くなった山道をとおせんぼうするように、(伐採作業中)の札が、ロープに下がっていた。チェーンソウの音が聞こえる。切り倒された檜を見ながら進んでいく。間もなく、小沢から離れて、左へと急な斜面を登り始める。
作業道が幾つにも分かれているのが、黄色のテープを追っていく。右へ、左へと歩いていくと、道は細くなり、間もなく、懐かしい(穴切峠)に着いた。赤の鳥居が立ち、(山神様)が祀られている。
喉を潤し、少し休んでから、北へと斜面を登り始める。伐採された木が邪魔である。小さなアップダウンを続けると、尾根は、左へと回る様になった。踏み跡が怪しい所も有ったが、木に付けられた赤印や、境界の赤杭が多く、安心する。
やがて、木々の中の『高戸山』山頂に上り着いた。三角点があり、山名標識が二つあった。しかし、標識の文字は薄くて、やっと読めた。木々の間に、梅田湖が見える。少しの時間、久しぶりの高戸山山頂の雰囲気を味わった。
下りは、来た道を戻ったが、二度ほど、尾根を間違った。穴切峠で、少し休み、早足で下り始めたが、林道に出てから、薄暗くなってきた。寂しい林道を駆けるように歩いて、車に戻った。もっと早く来ればいいのに、なんて思いながら、車のライトをつけて、家路に向かった。フ―、疲れた―。

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