源次郎岳を下山してから、(道の駅、甲斐大和)に車を止めた。20号線が脇を通っているので、煩かった。次は何処にするか、昨日決めていた。五時、笹子峠へと車を走らせる。初めに、北側の日影から入ったが、ゲートに阻まれた。ナビを見ると、南側からの方が、峠に近い。すぐに南側に周り、ゲートのある(矢立の杉)まで走った。大きな看板が立ち、歌手の杉良太郎に関係があるようだ。杉の大木は、中は空洞になっているのに、緑の葉を茂らせている。驚きだ。

●矢立の杉●
支度をして、歩き出す。ゲートを超え、クネクネと林道を歩いていくと、再び、ゲート前に出た。右側の斜面が大きく崩れたようだ。何箇所もあった。やがて、黒い口を開けた笹子トンネルの前に着いた。ここから、右側の斜面へと入っていく。

●笹子トンネル登山口●
少し登ると、道標の立つ(笹子峠)だった。ここから右へと急な斜面を登っていく。鉄塔巡視路の階段が現れた。どうやら巡視路を使って行く様である。やがて、尾根の右側をトラバースする道になり、しばらく歩いていく。 濃い紫のホタルブクロが道の両側に顔を見せる。

●ホタルブクロ●
細いトラバース道は、滑りやすく、けっこう気を使う。鉄塔の下に出、更にアップダウンをしながら歩いていく。

●細いトラバース道●
二つ目の鉄塔に立つと、眺めがよかったが、まだ、朝早いので、ガスに隠れている。下って、急斜面を登り返して進むと、狭いピークに飛び出した。『笹子雁ヶ腹摺山』と書かれた山名標識が幾つも有って、賑やかである。

●笹子雁ヶ腹摺山山頂●
まだ、風景は雲の中に隠されていて、全く何も見えない。岩に腰を下ろして、優しい風を受けた。爽やかで、とても気持ちいい。次第に雲は取れてきて、山々が顔を見せ始めた。やっとお目覚めである。端正な富士山も美しい山姿を現した。左手には、三つ峠も見えている。右手、雲の上に頭を出しているのは、大菩薩嶺であろうか。徐々に現れ始めた風景に感動である。

●富士山●
しばらく山頂に居てから、下山を始めた。道路では、工事が始まっていた。矢立の杉まで戻り、(棚横手山)に登るべく、登山口の大滝不動尊にナビをセットした。道は、ややこしかったが、迷いながらも大滝不動尊前に着いた。しかし、標識があり、右への道を指していたので、更に奥へと走っていく。間もなく、左への標識を見て、道路を上がっていくと、丁字路になった広い場所に出た。道標が立っているが、現在地が良くわからない。展望台へと歩いてみた。あまり展望はなかったが、そこには、御獄大神が祀られていた。

●甲斐御獄大神●
戻って、支度をし、上がってきた道を少し下り、登山口の標識がある所から山に入った。道は落ち葉が深かったが、はっきりしていた。ジグザグに登っていくと、間もなく、稜線に出た。しかし、そこに立つ道標には、目指す(棚横手山)の文字は無かった。とりあえず、高尾山を目指すことにした。

●登山道から見た、甲州高尾山●
カンカン照りの稜線歩きは暑かった。高尾山に立ち、更にその先の剣ヶ峰へと歩き、林の中に入って、木の根に腰をおろした。凄い暑さである。汗は拭いても、拭いても流れ落ちた。たっぷり水分を補給してから、来た道を戻っていく。道標の立つ場所から更に先へと富士見台を目指していく。しかし、その先は、伐採されていて、見晴らしはいいが、尾根を歩いているのが、辛くなってくる程の猛暑の中の歩きだった。

●尾根歩きと、遠く、棚横手山●
結局、小ピークまで歩き、熱中症で倒れる前に、踵を返した。車に戻り、どうしょうかと、地図を見ていると、右手の林道から下りてきた男性がいたので、聞いてみると、林道終点から、すぐですよと教えてくれた。すぐに林道を走り、林道終点から、歩き始めた。

●沢に沿った山道●
立派な道を歩いていくが、標識類は全く無い。間もなく、丸木のかけられた沢を渡り、今度は、右岸を歩いていく。沢ノ水で顔を洗ったが、冷たくてとっても、気持ちよかった。

●沢に掛かる丸太の橋●
次第に沢沿いの道は細くなり、流れのなくなった沢床を歩くようになる。しかし、すぐですよと言われたのに、随分と時間がかかっている。変だなと思ったが、先へと進んでいく。やっとの思いで尾根に出た。標識は無い。しばらく倒木に腰を下ろして汗を拭いた。

●登り着いた細い尾根●
かなり疲れていて、足が重い。右手のピークを目指して登っていく。やっと登り着いたピークには、『宮宕山』の標識があり、がっくりである。目指す棚横手山の先のピークに登りついてしまった。ではと、棚横手山を目指してしばらく歩いたが、遠雷に足が止まった。宮宕山に戻り、一服してから、元来た道を下った。もう、棚横手山を目指す気力は無かった。着替えをし、車のエアコンで体を冷やしてから、帰路に着いた。良くなった右膝が又、痛みを訴えている。

●宮宕山山頂●
【今日のつぶやき】
悔しいなー、普通に富士見台へと歩けば、行けたろうになー、山勘が最近、働かない、錆びてきたのかな!?

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