昨夜、突然に、明日、山に連れて行ってくれとのメールが入った。南アに行くつもりだったが、急遽変更し、身延町の七面山に予定を変えた。
朝五時、友人と待ち合わせ、高速に乗った。寒い朝である。中央道に入ると、真っ青な空に浮かぶ名峰富士山が大きく現れた。白く雪化粧した富士、実に美しい。

●中央道から見る富士山●
身延町に入り、春木川に沿った道を走る。やがて、杉木立の中の羽衣橋手前駐車場に着く。車が多く、ぎりぎりの隙間にやっとのことで、車を駐車した。支度をして、登山口から、ゆっくりと登り始めた。

●敬慎院表参道入口と駐車場●
道は、けっこう急勾配だが、合目石が立ち、これが目安になり、安堵感がある。広い道には、至る所にベンチがあり、登る信者さんたちにとっては、凄くありがたいことであろう。太い杉木立の立ち並ぶ中を、大汗をかきながら登っていく。

●休み所のある広い参道●
信者さん達を追い越しながら、ジグザグの道をマイペースで登っていく。所々で見晴らしのいい場所が現れる。陽の当らない杉木立の参道から、目の覚める様な秋色に染まった山並みを見て感動する。

●秋色に染まった山肌●
歩き始めには、右膝に少し痛みを感じたが、次第に痛みはなくなり、足がスムーズに前に出るようになった。見晴らしのよい所では足が止まり、広がる景色に嬉しくなる。

●広がる山並み●
遅れる友を待ちながら、清々しい空気を存分に味わう。友が追いつき、しばらくしてから、再び歩き出す。40丁目では、休みすぎて、歩き出しが、きつくなってしまった。やがて、大きな門をくぐり、鐘撞堂を右に見ながら少し登って、髄身門前の展望広場に着いた。残念ながら、雲が多くなり、富士山は、頭を少し見せるだけだった。

●随身門広場から見る、愛鷹と秩父の山並み●
秩父の山並みや愛鷹山に登った時のことなどを思い出しながら、風景を堪能していると、ゼイゼイ言いながら友が登ってきた。しばらく休んでから、小笹の中の登山道へと入っていく。

●小笹の中の登山道●
軽トラが走れそうな、広い道がカラマツ林の中に続いていた。その広い道も間もなく終わり、傾斜の急な登りになった。木の根に足を取られながら、一気に高度を上げて行く。斜面が緩やかになったところで、左の笹の中へと歩いてみた。崖になっていて、崩れた白い山肌が怖いようだった。

●ナナイタガレ●
登山道に戻り、樹林の中を歩いていくと、間もなく、そこだけぽっかりと開けた明るいピーク、『七面山』山頂に着いた。三角点と山名標柱、それに展望もないのに、何故か、展望盤もあった。暖かい陽を受けながら、ゆったりとタバコをふかしていると、友が登ってきて、草地にバタッと横になったと思ったら、イビキをかきだした。4〜5分経って、ガバッと起きだし、〈あれっ、寝てしまったかな!?〉だって。凄い奴である。

●七面山山頂にて●

●明るい七面山山頂●
希望峰に行くつもりだったが、時間的に無理と判断、割愛した。穏やかな、暖かい山頂でしばらく至福の時を過ごし、下りにかかった。敬慎院に寄ったが、凄い立派な建物に驚いた。お坊様に、お泊りですか?と声をかけられた。信者さんが上がってきて、ここに泊まる様だ。長い、長い参道を下り、駐車地に戻った。着替えてから、真っすぐに白糸を垂らした様な美しい〈白糸の滝〉を眺めてから、帰路に着いた。いい山歩きだった。

●敬慎院●

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