雨は止み、いい天気になった。何処に行こうか迷ったが、群馬の上野村にある〈大天幕ノ頭〉をのんびりと歩いてくることにした。上信越道を下仁田インターでおり、一路、上野村へと走っていく。湯ノ沢トンネルを抜けると、山肌がミツバツツジでピンクに染まっていて、感動した。まもなく、国道299号に入り、父母トンネル手前まで走り、車を停車、地形図を出す。確認してから、乙父沢川に沿った道へと右折、すぐに左折して乙父沢川を渡り、細い道路を上がっていく。畑地の広がる大地に出た。畑仕事をしている男性がいた。早速聞いてみる。大天幕の名の事とか、山頂への道は、東電への巡視路からがいいとか、親切に教えて頂いた。駐車場所も了解してもらい、お礼を言ってから、車を駐車場所に移動した。〈小敷平〉の看板が立っている。東に丸い形の笠丸山が眺められた。

●駐車地から笠丸山を眺める●
支度をして、男性に教えられた東電の巡視路を歩き始める。防護用の青いネットが続いている。ネットに沿った踏み跡を歩いていく。

●防護用ネットに沿って歩いていく●
間もなく、弱電の通ったネットが加わり、二つのネットに沿って歩いていく。鉄塔を右に見ながら歩いていくが、しばらく歩くと、下っていくので、ネットが大きく空いている場所から尾根へと足を進めていく。

●新緑の尾根を登っていく●
落ち葉の中を登っていくと、まもなく、〈畑地かんがい施設・調整池〉の前に出た。更に上へと踏み跡は続いている。

●かんがい施設・調整池●
東電の黄色のプラスティック柱に〈安曇幹線223号〉と書かれている。巡視路を追って行く。所々に朽ちた木段が見られた。道は、尾根の左側の斜面をトラバース気味に続いている。しばらく歩くと、鉄塔が見えてきた。

●鉄塔が見えてきた●
鉄塔からの眺めは素晴らしく、上野村の山々が新緑に輝いているのが見渡せた。高反山も大きな山形を見せてくれた。

●鉄塔から見る、笠丸山と高反山●
地形図を出して、これからの尾根を確認する。戻るように尾根を緩く登り始める。暖かい日で、汗が滴り落ちてくる。新緑の中の尾根歩きは気持ちがいい。

●気持ちよく尾根を歩いていく●
ハルリンドウを見つけた。辺りを見ると、青紫の可憐な花が、陽に輝いて、まるで、宝石が散りばめられているようである。空に向かって顔を上げている。実に、愛おしい。

●ハルリンドウ●
けっこうきつい登りが続くが、さわやかな新緑を目に入れながらの歩きは、疲れを忘れる。岩のゴロゴロした斜面が終わると、細い岩尾根になり、その先に、美しい斜面が広がっていた。

●気分のいい斜面が広がる●
更に急な斜面を登りきると、岩場になり、ミツバツツジが白い岩に映えて、とても綺麗だ。岩を慎重に歩いていく。

●岩場に咲くミツバツツジ●
細い岩尾根が続く。岩の間を登っていく。左側は切れ落ちていてるので、神経を使う。まだ蕾のミツバツツジを見ながら、ゆっくりと登っていく。

●岩場の登り●
岩場が終わると、えっと言う感じでピークに着いてしまった。まだまだ先かと思っていたのだが、意外と早かった。三角点があり、青のプレートに『大天幕ノ頭・山が一番』と書かれていて、笑ってしまった。倒木に腰を下ろして、こ一時間、山頂の雰囲気に包まれていた。いい気持ちである。カラマツの芽吹きが始まり、柔らかい緑色が生き生きと見える。しかし、山は二番だな、そんなことを思っていると、柔らかい風が頬を撫でて行った。
下り、尾根を一本間違えて、取り付きよりも下方に出てしまった。その際、電気のネットに触ってしまい、ビビっときて、飛び上がった。

●大天幕ノ頭山頂にて●

●ミツバツツジ●

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