会員と一緒に歩こうと、歩きやすい、飯豊展望の山をわざわざ一山残しておいた。しかし、前回の様に、落胆させられるのが嫌で、単独で行く事に決めた。
5/27
左背中が痛くて、午後の2時頃まで寝ていたが、痛みが収まったので、車に乗った。今日は現地に着けばいいと、高速は使わず、下道で行く。鬼怒川を抜け、会津西街道をひた走り、会津若松を通って、山都町に入るが、暗くなり、道が不明になったので、山都駅の駐車場端をお借りして、今宵の宿とする。
5/28
朝4時半、目が覚めた。静かなもので、車は一台もなかった。とりあえず、奥川に向かって走り始める。途中、畑にいた女性に聞き、国道459号に入り、山中のみちを走り、国道383号をしばらく走っていくと、〈鏡山登山道入口〉の看板があり左折、やがて、弥生集落に入り、細い林道をゆっくりと走っていく。終点まで行けるかなと思いながら走っていくが、とうとう残雪で道は塞がれていて、進めなくなった。駐車余地までバックして、車を止めた。標識がひとつも無いので、林道終点まであとどの位か分からない。

●林道途中に車を止める●
支度をして、歩き出す。沢の水は多く、音を立てて流れていた。空気が少しひやっとする。道を塞ぐ残雪の端を歩いていく。

●残雪の端を進んでいく●
水の流れに沿って、気分良く歩いていく。空は真っ青で、天気はいい。楽しい山歩きができそうな予感がする。

●沢の流れと林道●
ゆっくりと沢音を聴きながら歩いていくと、間もなく、林道終点になった。沢は二つに別れ、中央の尾根へと上がっていく。

●林道終点地登山口●
急登が始まり、一歩ずつ足を上げていく。まもなく、勾配も緩くなり、気持ちいいブナ林の尾根の歩きになった。

●ブナ林の中の登山道●
ブナの新緑の中を気分良く歩いていく。コミヤマカタバミやタチツボスミレが登山道脇にびっしりと咲いている。ツツジが咲き、オオカメノキの白い花に負けじとタムシバが大きな花ピラを見せ始めた。

●タムシバ●
花を見ながらのんびりと歩いていく。まもなく、右手の尾根が合わさり、弥平四郎との分岐になった。ここで、初めての標識である。弥平四郎からは、二度程、飯豊へと歩いたことがある。一度は友人と歩いたが、友人が足に違和感を覚えたと三國山で下山、その数日後、単独でテントを担いで大日岳まで歩いた。今の老体では、とても無理である。そんなことを思い出しながら、一息ついた。

●弥平四郎分岐●
左への道を緩く登っていく。新緑が陽に映えてキラキラしている。〈清水あります〉の標識を過ぎると、残雪が現れた。雪は柔らかくサクッ、サクッと音がする。雪あり、花有りの歩きは、とにかく楽しい。

●ツツジの咲く道●
間もなく、『七森峰』に登りついた。木々の間に、残雪を付けた飯豊の山が現れた。実に美しい。

●タムシバと飯豊の山●
少し七森峰から下り始めると、前方に目指す〈鏡山〉が現れた。素晴らしい風景である。緑と白とのコントラストもなかなかいい。

●七森峰から見る鏡山●
少し下り、登り返していく。やがて、たっぷりの残雪歩きになり、気分は上がりっぱなしだ。緑と白と、真っ青な空、嬉しくなる。

●残雪の斜面●
周りの景色に見とれ、足の進みが遅くなる。やがて、三角点が斜めになった、雪の消えたピーク、『鏡山』山頂である。飯豊の山並みが眼前にパノラマの様に広がっていた。飯豊連峰の美しさに感動する。しばらく眺めていたが、虫が煩いので、少し下り、ブナの大木の下で朝食とした。さわやかな風が吹いてくる。いい気分である。これで、〈うつくしま百名山〉完登である。わざわざ登り残しておいて、良かったかもしれない。この時期に訪問出来たのだから、と思うことにしよう。しかし風が爽やかである。

●鏡山山頂・うつくしま百名山完登●

●飯豊連峰●

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