今日も温度は既に27度を過ぎている。これからまだ上がると、しきりにラジオの天気予報が言っていた。梅雨の中休みとはいえ、真夏の天気である。足尾の簀子橋堆積場を巡る山々で、ひとつだけ残っている、〈有越山〉へと車を走らせる。国道122号を走っていくと、やがて、岩肌を見せた〈有越山〉が見えてきた。

●有越山●
麓に向かって走って行く。通洞駅に入り、南側の端に車を止めた。直ぐに支度をして、端の看板を見て、〈想いでの小道〉を歩き出す。

●足尾歴史館へと続く〈おもいでの小道〉●
すぐ線路になり、平行に歩いていく。そして、線路をわたっていく。振り返れば、通洞駅のプラットホームが見える。

●線路と通洞駅●
まもなく、車が何台も止まっている広場に着いた。何だ、〈足尾歴史館〉の駐車場だった。知ってれば、ここに車を置いたものを、と思いながら、右を見ると、赤く塗られた鳥居が立っている。

●足尾歴史館駐車場北端にあった赤鳥居●
上にある社には行かず、鳥居の所で頭を下げ、左の斜面を登っていくと、林道に出た。取り付きを探して歩いていくが、なかなかわからない。引き返して少し歩くと、石のゴロゴロした廃道の様な場所を見つけ、ここから入って行く事にした。

●岩に沿って踏み跡を追う●
しばらく登っていくと、広い檜林になり、道が現れた。右下から、続いている。取り付きを見逃したようである。帰りにここを下ってみて、分かったが、林道に出て、少し右へと戻り、鉄塔の所が取り付きだった。

●檜の中の道を進んでいく●
しばらく歩き、左の尾根に乗った。尾根上にもはっきりとした踏み跡が続いていた。追って行くと、尾根は次第に細くなってきた。

●細い尾根を進む●
次第に岩が出てきた。傾斜もきつくなってきた。大きな岩が現れ、その下に祠が祀られていた。

●大岩の下の石祠●
やがて、まっすぐに上がっていくのが、きつくなってきた。左に踏み跡があるので、歩いていく。道は、石が多く歩きにくいが、ジグザグに斜面を登っている。間もなく、左手の岩場へと道が続いていくので、岩を嫌って、右へと斜面を登り始める。

●斜面は更にきつくなってきた●
斜面を上がっていくと、休め、と言っている様に、平らな石があったので、即座に腰をおろした。汗が凄い。登ってきた斜面を見下ろしながら、少し息をついた。腰を上げて再び登っていく。大きな岩場を過ぎると、斜面はゆるくなり、踏み跡は終わっていた。西の端の細い岩尾根を登り始める。

●岩と雑木の多い尾根を登っていく●
少し進むと、ピンクのリボンを見つけた。左下から、踏み跡が上がってきていた。更に細い尾根を登って行く。左に曲がるようになると、まもなく見晴らしのいいピークだった。狭いピークからは、簀子端堆積場が見え、周りには、奥水山、備前楯山や石垣山、金龍山などが眺められ、更にその奥には、日光の社山や男体山などが見えている。素晴らしい眺望である。石に腰をおろして稲荷ずしを口に入れる。谷底から吹き上げてくる風がなんとも爽やかで、気持ちいい。長い時間飽きずに風景を眺めていた。『有越山』、なかなか、素晴らしい展望の山だった。

●有越山山頂●

●有越山山頂からの展望●

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