信州百名山を見ていたら、結構歩いている。完登は無理だが、久しぶりに、そんな山でも歩いてみようと高速に乗った。空には雲が多く、天気は良くない。上信越自動車道を走り、更埴インターで下り、戸倉上山田温泉に向かう。温泉街から〈林道聖高原千曲線〉に入り、鳥居平を目指して、高度をグングン上げていく。凄い急坂である。しばらく走り、千曲市との境を過ぎた所で、道路に倒木が通せんぼしていた。乗用車が走れるだけの枝が切られているだけで、我が愛車は通り抜けられない。仕方なく、バックして、市境まで戻り、車を道路端に止めた。

●駐車地●
支度をして、車道を歩き始める。右手の尾根に踏み跡がある。ここからも行けそうだが、〈入山禁止〉の看板が幾つも木に付けられていて、入ったものには、罰金30万円、と書かれていた。何があるのだろうと思いながら、歩いていくと、進行を妨げた倒木の場所に出た。

●倒木●
倒木を潜って、しばらく歩くと、突然広い場所に出た。登山者用駐車地だった。〈冠着山登山口〉の標識があり、大きな案内板も立てられていた。立派な登山口である。

●登山者用駐車地●
車は一台も無かった。案内板の脇に〈冠着山〉への標柱が立ち、林道が続いている。轍が付いているので、先へと入っている車がけっこう有りそうだ。

●冠着山登山口●
広葉樹の立つ林道を歩いていく。両側には、ハルジオンが賑やかに咲いている。風は無いが、それ程暑いと感じない。

●林道●
まもなく、林道は終わり、右へと山道に入っていく。山道は良く踏まれていて、下草の中に、はっきりと続いていた。実に歩き易い道である。

●登山道●
のんびり歩いていくと、指導標の立つ明るい場所になり、右へと方向を変えていく。

●指導標●
階段が出てきた。やがて、展望案内板のある、展望台に出た。しかし、有明山だけが、眺められ、他は、厚い雲の中だった。

●展望台●
ジグザグに登っていく。けっこう汗が落ちてきた。登山道脇に、チラホラとナデシコが現れ、淡いピンクの色に気持ちが和んだ。

●ミヤマナデシコ●
汗を拭きながら、ジグザグに登っていくと、右側に石祠があった。もちろん、賽銭をあげ、手を合わせてから、再び、進んでいくと、すぐに、社の立つ、山頂に飛び出した。

●冠着山山頂●
草地を進んでいくと、先客が居て、丁度、立ち上がる所だった。雲が無ければ、素晴らしい展望が楽しめた筈である。それでも、近場の風景は眼前に広がり、上田平の街並みも見おろせた。空気がカラッとしていて、気持ちがいい。石に座って、しばらく山上の気分を味わった。冠着山は、別名、姥捨山と言うらしいが、そんなイメージは全く感じられない、素敵なピークだった。
駐車地に戻り、中野市へと向かう。高社山の登山口を確認してから、〈道の駅・ふるさと豊田〉に車を入れ、カツカレーを食べ、腹を落ち着かせてから、のんびりとした。

●上田平の広がり●

●冠着山〈姥捨山〉山頂にて●

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