天気の良くなるのを待っていると、いつになるか分からない。次々と台風がやってきて、晴れの日が無い。雨を覚悟で高速に乗った。晴れていた空は、次第に雲が厚くなってきた。紫波サービスエリアに入り、仮眠を取り、日付が変わってから、走り出し、盛岡インターでおり、途中、(道の駅・雫石あねっこ)で朝まで寝る。既にインターを降りる前から、雨になっていた。
朝、道の駅を出発し、途中、コンビニで食料を買い込んで、黒湯温泉へと走っていく。黒湯温泉駐車場は朝早いのに、満車だった。バスも入っていて、傘を持った観光客がうごめいていた。雨ではあったが、駐車場からの風景はなかなか素晴らしい秋色を見せてくれた。

●黒湯温泉と紅葉●
雨具を着け、歩き出す。黒湯温泉へと下っていく。右下に温泉を見ながら真っ直ぐに下っていくと、河川工事中の河原に出た。標識に従って右折、橋を渡り、一本松沢に沿った細い山道を進んでいく。

●一本松沢左岸の山道●
間もなく、橋を渡って、右岸に出、高巻きながら一本松沢に沿って歩いていく。右側に堰堤を見ながら更に登って行くと、沢になり、大きな岩を伝いながら滑らないように慎重に歩いていく。

●大きな岩のある沢歩き●
少しの沢歩きが終わり、赤や黄色になった木々を見ながらの歩きになる。木道が多く、何度も滑りそうになった。雨に濡れた木道歩きは、かなり気を使う。

●木道が続く●
ごろごろした岩の道と木道歩きを繰り返していく。やがて、急な登りになり、かなりの汗をかいた頃、標柱の立つ尾根の端に登りついた。ベンチもあるので、天気が良ければ、ここで一息という場所であろう。

●標柱の立つ尾根末端●
乳色のガスの中に、薄黒く山が見えている。もう少しである。標柱には1kmとある。急に風が出てきて、気持ちいいが、ここでは休めない。尾根道を歩き出す。

●尾根の先にピークが見える●
道が右へと曲がった所で、肩からザックを下ろし、一息入れる。丁度、風の当たらない場所だった。腹も減ったので、朝食とし、大休止とした。雨は小降りだが、やむことは無かった。寒くも無く、気分はいい。腰を上げ、少し歩くと、道は左へと上がっている。土の斜面で、よく滑る。

●土の斜面の登り●
ゆっくりと足を置いていく。土が終わると今度は岩だらけの道になった。ガスの中に真っ赤なナナカマドの実を見つけた。緑の笹の中に異様なくらい、映えていた。

●ナナカマド●
うっすらと山頂が見えてきた。やがて、道標の立つ(田代平山荘)との分岐になり、右へと石の道を上がっていく。

●田代平分岐点●
少しの歩きで、山頂の肩に出た。先は切れ落ちているが、ガスの中、下は見えなかった。見えればなかなかの感動ものだったであろうが。残念である。

●岩のピーク、乳頭山●
左側から緩く上っていくと、方向指示板のある『乳頭山』山頂である。岩の上に山名板がおかれている。晴れていれば、秋田駒ヶ岳などが見えるのであろうが、乳色のガスのカーテンの中だった。

●乳頭山山頂にて●
田代平から来たという地元の青年と少し話をし、分岐まで下り、田代平山荘方面へと歩いていく。しばらく木道を下っていくと、二階建ての(田代平山荘)の前に出た。中に入ってみたが、誰も休んでは居なかった。

●田代平山荘●
山荘の前に沼があった。周りの草紅葉は無く、既に枯れていた。

●田代平山荘前の沼●
山荘を後にして、木道を進んでいくと、次々と枯れ草の湿原が現れた。間もなく、(大白森)との分岐を左折、枯れ草の中を緩く下っていく。

●大白森分岐●
下りの道は荒れていた。下るにつれ、周りの木々の紅葉がきれいになってきた。しばらく下り、広く平らな歩きになったところで、木々の間に田沢湖が見えた。ぶな林の中の歩きはとても気分がいい。

●錦繡の中の歩き●
立ち止まり、立ち止まりしながら歩いていくと、登りがあり、ベンチのある小さなピークに出た。標柱が立ち、孫六温泉まで0.6kmと書かれている。ここで、またまた長い休憩をとった。実に気持ちがいい。

●ベンチのある小ピーク●
充分に辺りの雰囲気を楽しんでから、孫六温泉へと下っていく。林道に出、孫六温泉の前を歩き、橋を渡って朝の道に戻り、駐車場に戻った。雨は上がっていた。着替えを済ませ、玉川温泉へと向かって走り始める。国道341号は、紅葉ドライブにはもってこいの道だった。錦秋に染まる山々の美しい紅葉に見とれて、何度もハンドルを切りそこね、危うく対向車に当たりそうになった。
玉川温泉の焼山登山口を確認してから、(道の駅・鹿角)に車を入れた。

●孫六温泉●

●紅葉●

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