客の帰ったのが、昼少し前だった。時間を考えて、少し迷ったが、とりあえず、高速に乗った。〈あきる野インター〉でおり、五日市カントリーの北側にある低山、網代弁天山に向かう。五日市トンネル南側の道路端に車をとめ、地図を見ていると、夫婦者と思われる男女が歩いてきたので、登山口を尋ねると、ここじゃない、トンネルの北側に登り口がある、と詳しく教えてくれた。
教えて頂いた場所に車を止め、支度をしていると、先ほどの夫婦者が歩いてきて、〈もう少し先だよ!〉と言われた。車はここに置き、男女の後を追うように歩き出す。間もなく、道標があり、左への道へと入り、更に右へと歩いて行く。男性が待っていてくれ、先導してくれる。すぐに、赤い鳥居の前に出た。
鳥居には、〈貴志嶋神社〉の文字が掛かっている。男性は色々と説明をしながら前を歩いていく。案内板の所で道が二手に分かれた。洞穴があるから折角だから見て行こうと左の道を進んで行く。〈弁天洞穴〉の看板が立ち、入口は狭かったが、中はけっこう広く、石像が置かれていた。
深く積もった落ち葉の中、岩場を上がって行くと、『弁天山』山頂だった。大きな岩が幾つかあった。あれがスカイツリーだよと指をさした。その方向におぼろげだが、ツリーが認められた。町並みが眼下に広がり、なかなか気持ちのいいピークだった。
斜面を下り、近道だと言って、コースから離れた急な斜面を下り、コースと合わさった所から、登り返していく。整備された木段が続き、平らに尾根を少し歩き、更に木段を上りきると、小広い『城山』山頂に着いた。端に三角点が埋まっていた。丁重にお礼を言い、ここで、夫婦と別れ、一人、丸太の椅子に腰を下ろして、饅頭を口に入れた。ここの展望はあまり良くなかった。下りに、別な道を歩いていくと、〈右奥 凱旋山〉の看板を見つけ、歩いてみた。小ピークで何も無かった。
山を降りてから、〈雹留山〉入口を探してあちこちと走ったが、結局分からず、あきる野市の大澄山に向かう。山は分かったのだが、登り口が分からない。細い道に入り、奥まで走ってみた。終点は墓場になっていて、脇に歩く道が続いていた。ここから行けそうだと車を道路端に止めた。
車止めの棒の横から山道を歩いていく。突然、前方を男性が左から右へと走り去っていった。えっっと思い、歩いていくと、立派な遊歩道にぶつかった。道標も立っている。右へと進み、階段を上がって行くと、東屋の立つ広場に出た。『大澄山』の標柱も立っていた。
すぐに道標まで戻り、そのまま先へと進み、コースから離れ、左への急斜面を登って行く。落ち葉で靴が滑る。間もなく高みになり、少し歩くと三角形をした異様な建物の前に出た。何やら宗教的な感じのする建物だが、薄暗くなった山の中、実に気味悪い。
更に奥へと歩いていくと、見晴らしの利く、三角点ピークに出た。ゴルフ場の上に、大岳山の山並みが眺められた。左に見えるのは、御前山であろうか。一服してから、下山に掛かった。時計の針は、もうすぐ、五時を指そうとしていた。

●お地蔵様の手前に駐車●

●道標●

●貴志嶋神社の赤い鳥居●

●弁天洞穴●

●岩場の登り●

●網代弁天山山頂●

●右端に、スカイツリーが見える●

●城山への木段●

●網代城山山頂にて●

●墓地脇の山道●

●遊歩道に立つ道標●

●大澄山山頂●

●急斜面の登り●

●不気味な建物●

●点名・草花村 ピーク●

●大岳山遠望●

6