2006/1/22
iCon 書評
最近"iCon"(J.S. Young&W.L.Simon共著、東洋経済新報社)を一気に読んだ。アップルコンピュータを作り、追い出され、復活したスティーブ・ジョブスの伝記。一気に読み通してしまった。訳もこなれていて読みやすい。
アップルがWindowsに押されながらもしぶとく生き残ってきたのは、そのユーザー本位に徹した製品作りにある。昔、大学の研究室で初めてアップルコンピューターIIを見た時のオドロキ。パリのOECDで最初にマッキントッシュに触った時の衝撃。今もよく覚えている。とにかくマニュアル無しに触る事ができた。それにつけても思い出して欲しい、Windows OSの非協力的な姿勢を。マニュアルも全然厚みが違う。さて1月20日の日経夕刊1面の「おじさんは怒ってるぞ」欄を見てポンと膝を叩いた。Windowsでお馴染みの「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます」という表現に怒り狂っている。そのとおりだ。一体俺様を誰だと思っているんだ。こっちは「所有者」、ご主人様だ。アップルの場合、こんなことはない。この本を読んだこともあって、さっそく数日前にまたアップルのパソコンを購入してしまった-----皆な最近はコンファレンスとかでレッツノートを使っているけれど、わしゃマックじゃ!-----が、そのメッセージの優しいこと。「さぁ、一緒になんとかしましょう」的な前向きさがある。ご主人さま本位で楽しい。まちがっても「不正な処理」などと歯向かってこない。ここで気がついた。そうか、アップルのパソコンはご主人本位の「萌えパソコン」なのかも知れないな。
話が全くそれてしまった。こうしたアップルのユーザー本位の姿勢はジョブス自身の哲学に基づくものだろう。そもそもゼロックス研究所のGUIを見せてもらってこれをベースにアップルのGUIが出来上がったという話。彼が結局アップルに呼び戻されることとなったのは当時の彼の会社ネクスト社のOSであるネクストステップをアップルに搭載することが求められたから。そして、昨今のiPodの成功。これもユーザーの立場からコンテンツのネット配信における著作権保護をどの程度緩くすればよいか、iTunesというソフトをどう使い勝手よくするかといった事を深く考えたことで広く支持を得たと言えるだろう。マックというとパソコンのハードのイメージがあるけれど、アップルの競争力、そしてジョブスの成功のきっかけはソフト関連だ。
パソコンはその中身を生産している部品メーカーはほぼ同じで大同小異。OSの違いだとか、その上で動くアプリがより大事になってきている。更に、ブラウザーのグーグルやヤフーがワープロソフトなどのアプリケーションを提供するとか。どんどん、上のレイヤーに重要な要素が移行している。ブロードバンド時代のビジネスモデルは更に急速に進化し続けていくことだろう。
0
アップルがWindowsに押されながらもしぶとく生き残ってきたのは、そのユーザー本位に徹した製品作りにある。昔、大学の研究室で初めてアップルコンピューターIIを見た時のオドロキ。パリのOECDで最初にマッキントッシュに触った時の衝撃。今もよく覚えている。とにかくマニュアル無しに触る事ができた。それにつけても思い出して欲しい、Windows OSの非協力的な姿勢を。マニュアルも全然厚みが違う。さて1月20日の日経夕刊1面の「おじさんは怒ってるぞ」欄を見てポンと膝を叩いた。Windowsでお馴染みの「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます」という表現に怒り狂っている。そのとおりだ。一体俺様を誰だと思っているんだ。こっちは「所有者」、ご主人様だ。アップルの場合、こんなことはない。この本を読んだこともあって、さっそく数日前にまたアップルのパソコンを購入してしまった-----皆な最近はコンファレンスとかでレッツノートを使っているけれど、わしゃマックじゃ!-----が、そのメッセージの優しいこと。「さぁ、一緒になんとかしましょう」的な前向きさがある。ご主人さま本位で楽しい。まちがっても「不正な処理」などと歯向かってこない。ここで気がついた。そうか、アップルのパソコンはご主人本位の「萌えパソコン」なのかも知れないな。
話が全くそれてしまった。こうしたアップルのユーザー本位の姿勢はジョブス自身の哲学に基づくものだろう。そもそもゼロックス研究所のGUIを見せてもらってこれをベースにアップルのGUIが出来上がったという話。彼が結局アップルに呼び戻されることとなったのは当時の彼の会社ネクスト社のOSであるネクストステップをアップルに搭載することが求められたから。そして、昨今のiPodの成功。これもユーザーの立場からコンテンツのネット配信における著作権保護をどの程度緩くすればよいか、iTunesというソフトをどう使い勝手よくするかといった事を深く考えたことで広く支持を得たと言えるだろう。マックというとパソコンのハードのイメージがあるけれど、アップルの競争力、そしてジョブスの成功のきっかけはソフト関連だ。
パソコンはその中身を生産している部品メーカーはほぼ同じで大同小異。OSの違いだとか、その上で動くアプリがより大事になってきている。更に、ブラウザーのグーグルやヤフーがワープロソフトなどのアプリケーションを提供するとか。どんどん、上のレイヤーに重要な要素が移行している。ブロードバンド時代のビジネスモデルは更に急速に進化し続けていくことだろう。

この記事へのトラックバックURLはありません
トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ
→トラックバックのより詳しい説明へ