谷脇康彦(たにわき・やすひこ)  84年、郵政省(現総務省)入省。OECD事務局(在パリ)ICCP課(情報・コンピュータ・通信政策課)勤務(87-89年)、電気通信局事業政策課課長補佐(93-97年)、郵政大臣秘書官(99-00年)、電気通信局事業政策課調査官(00-02年)、在米日本大使館ICT政策担当参事官(在ワシントンDC、02-05年)、総合通信基盤局料金サービス課長(05-07年)、同事業政策課長(07-08年)を務め、08年7月より現職。ICT政策全体の総括、通信・放送の融合・連携に対応した法体系の検討、ICT分野の国際競争力向上に向けた施策展開などを担当している。著書に「世界一不思議な日本のケータイ」(08年5月、インプレスR&D)、「インターネットは誰のものか」(07年7月、日経BP社)、「融合するネットワーク」(05年9月、かんき出版)。日本経済新聞(Nikkei Net) ”ネット時評”、日本ビジネスプレス”ウォッチング・メディア”などへの寄稿多数。

2008/11/9

週刊タニワキ(香港出張)  週刊タニワキ

 2日(日)、朝10時40分のフライトで香港へ。約5時間半。暑い。29度もある。香港島にあるホテルへ向かう。香港は初めて来たが、それにしてもこの高層ビル群はすごい。岩盤が固く、あまり地震もないとの事だが、日本だったらもっとドッシリとした基礎の上に建てるだろうに、細長くってかつ40階以上のビルがニョキニョキ。
 ホテルに荷物を置いて香港公園を抜け、待ち時間30分のトラムでビクトリアピークへ。日本の観光地のような雰囲気。ややモヤっていたが高層ビル群を見ることができた。公園には日曜日ということもあり、フィリピンなどから出稼ぎで来ている女性達が踊りを踊ったり、髪を切ったり、思い思いの休日をみんなで過ごしていた。
 ピアフェリーでクーロン側にわたる。こちらから見る夜景はたしかに素晴らしい。モヤッているので光が空で幻想的な感じに。
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  その後、携帯ショップが数十店集まっているビルへ。日本のケータイがそのまま売られている。また「iPhoneのSIMロック、5分で外します」の看板。どの店でもiPhoneが全面に出されている。端末の値段自体は最近の日本の値段とほぼ同じだが、中国製の怪しい端末も含め、とにかく値段のレンジが広い。ASUSがスマートフォンを作っているのは知らなかった。ケータイの外側だけも売っていて、どうも組み合わせて自由にケータイをアレンジします、というようなものもあるようで。 知的所有権は無視されている。
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 携帯ショップのビルの前が有名な女人街と呼ばれるエリア。雑貨小物はたくさん売られている。おねーさんが「ニセモノ、アルヨー」と叫んでいる。そこまで堂々と売るわけ?
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 ホテル近くのレストランで上海蟹を食べる。うまい。ミソが濃厚で、ガーリックパンに塗って食べるとうまい。数十組の香港人や観光客が黙々と蟹を食っているのは壮観。
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 ホテルに帰って無線LANにつなごうとしたら有料。フロントでプリペイドカードを買う。1時間で20香港ドル(約300円)。ちょっと高いかな?でも快適インターネット環境。

 3日(月)、ホテル内で朝食。午前9時からIICのコンファレンス。会場はビルの56階。見晴らし良好。
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 午前中に聞いたmEgoのプレゼンが面白かった。複数のSNSで個別にプロフィールを書くのは面倒なので一つにまとめて、それがすべてのSNSに反映されるというシステム。まだ米国でも始まったばかりのようでモバイルのオープン化と標準化の必要性を訴えていた。
 他のプレゼンではやはり金融危機がICT産業に与える影響を語る人々も。値下げも大事だけど、まずはこの危機を乗り切るためには投資のリターンを増やす努力、事業のreshapingを行う必要がある、ネットワークの効率化も必要、放送を電波で流すのは非効率ではないかといった話。これってネグロポンテ・スイッチという理屈ですね。帯域の広い有線を放送に使い、通信には電波を使う方が効率的という理屈。
 午後はモバイルのセッションにパネリストとして参加。時間が短かったので十分趣旨が伝わらなかったかもしれないが、モバイルの垂直統合と水平分業、オープン性の話をした。その後の議論が垂直統合でないと設備投資インセンティブが働かないのではないかといった話に流れたので、議論の流れは作れたかもしれない。
 知り合いが思った以上に多い。DCで知り合った元フランステレコムの友人、アイルランド政府の知人、OECDのサム、DC時代の石井さん、その他多数。午後の最後のセッションは規制の在り方。OFCOMの人が優秀な人材を集めるために待遇を民間並みによくしている、OFCOMで大学卒が数年間勤めることがキャリアとして認められてきているというような話をしていたのが印象的。弁護士の卵をこうやって数十人集めているのだとか。夜、香港在勤の関係の皆さんと意見交換。有益であった。

 4日(月)、引き続きIICのカンファレンス。午前はコンテンツのマルチプラットフォーム配信の話題。面白かったのは豪州のローカル放送局。ネットでローカル著名人のブログを掲載するなどローカル情報のマッシュアップを図ると反応が大きいという話。彼のいうに、放送のマスの機能は終わり始めていて、視聴者との情報のマッシュアップを図る場合、共通の属性の情報のマッシュアップをどこに求めるかという点に腐心し、複数の共通の属性のサイトを立ち上げると反応率が高くなるということ。マスとマイクロの連携で相乗効果を高められるという実験。
 昨日に続き、本日はネット中立性のセッションでパネルに参加。日本の取り組みを具体的なデータで紹介。ケータイのネット中立性や垂直統合性との関係などをコメント。うなづいてくれる人が多い。コメントも好意的なものが多く、グローバルにみて政策の方向性は間違っていないと確信。
 セッション終了後、そのまま空港へ。機内で「僕の彼女はサイボーグ」見る。ま、よろしいんじゃないんでしょうか。深夜、空港から帰宅。

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