谷脇康彦(たにわき・やすひこ)  84年、郵政省(現総務省)入省。OECD事務局(在パリ)ICCP課(情報・コンピュータ・通信政策課)勤務(87-89年)、電気通信局事業政策課課長補佐(93-97年)、郵政大臣秘書官(99-00年)、電気通信局事業政策課調査官(00-02年)、在米日本大使館ICT政策担当参事官(在ワシントンDC、02-05年)、総合通信基盤局料金サービス課長(05-07年)、同事業政策課長(07-08年)を務め、08年7月より現職。ICT政策全体の総括、通信・放送の融合・連携に対応した法体系の検討、ICT分野の国際競争力向上に向けた施策展開などを担当している。著書に「世界一不思議な日本のケータイ」(08年5月、インプレスR&D)、「インターネットは誰のものか」(07年7月、日経BP社)、「融合するネットワーク」(05年9月、かんき出版)。日本経済新聞(Nikkei Net) ”ネット時評”、日本ビジネスプレス”ウォッチング・メディア”などへの寄稿多数。

2009/9/28

佐々木俊尚著「2011年新聞・テレビ消滅」&池尾伸一著「ルポ米国発ブログ革命」  書評

 米国新聞業界がのたうち回っている。最近も名アンカーだったダン・ラザー氏の発言が注目を集めた。新聞やテレビという大きな社会的影響力を誇ってきたマスメディアはこれからどうなるのか。
 佐々木俊尚著「2011年新聞・テレビ消滅」(文春新書)はタイトルからして刺激的。佐々木氏のこれまでの著作同様、今回も引き続き手堅い考察。著者はテレビについては将来性を見いだしていないように見える。また、新聞については専門メディアとしての生き残りの可能性を示唆している。ただし、既存の雑誌メディアと差異がなくなる点については必ずしも明確には触れていない。しかし、全体として豊富な事例を紹介し、コンテンツ、コンテナ、コンベアという3層レイヤーで説明する手法も手際よい。新書でむずかしいのかも知れないが、できればイラストで3層構造を説明すると、もう少しわかりやすかったかも知れない。
 佐々木氏と同じ新聞記者出身の池尾伸一氏の著作「ルポ米国発ブログ革命」(集英社新書)は文句なしに面白かった。新書で内容を伴いつつ、ここまでメディアの方向感を具体的に記述している筆力は素晴らしい。メディア、とりわけ新聞の電子化と読者とのコラボレーションの在り方に新しいメディアの在り方が見える。刺激的。日本の新聞はどうか?新しいツールに参加するかどうかという点と課金モデルをどう維持するかという点に議論が集まりすぎていないだろうか?NPO的なメディアの在り方、プロがリードするグランズウェル的なメディア展開などが進むと、これまでのマスのメディアとはまったく異なるものになるだろう。今後とも新聞というメディアが必要だ。しかし、その形態や維持するためのシステム、メディアとしての役割はこれまでと全く異なるものになるだろう。
 相次いで新聞記者のOBと現役が著した2冊のメディア論。一読をおすすめしたい。
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