谷脇康彦(たにわき・やすひこ)  84年、郵政省(現総務省)入省。OECD事務局(在パリ)ICCP課(情報・コンピュータ・通信政策課)勤務(87-89年)、電気通信局事業政策課課長補佐(93-97年)、郵政大臣秘書官(99-00年)、電気通信局事業政策課調査官(00-02年)、在米日本大使館ICT政策担当参事官(在ワシントンDC、02-05年)、総合通信基盤局料金サービス課長(05-07年)、同事業政策課長(07-08年)を務め、08年7月より現職。ICT政策全体の総括、通信・放送の融合・連携に対応した法体系の検討、ICT分野の国際競争力向上に向けた施策展開などを担当している。著書に「世界一不思議な日本のケータイ」(08年5月、インプレスR&D)、「インターネットは誰のものか」(07年7月、日経BP社)、「融合するネットワーク」(05年9月、かんき出版)。日本経済新聞(Nikkei Net) ”ネット時評”、日本ビジネスプレス”ウォッチング・メディア”などへの寄稿多数。

2007/2/3

”YouTube革命”  書評

神田敏晶著「YouTube革命」(ソフトバンク新書)を読む。電車の中くらいしか読書時間がなく、読了に少し時間がかかったが、面白かった。2回読んでしまった。2回読んだのは「ウェブ進化論」以来。

HDレコーダが当たり前になり、今までは”チャンネルというX軸と時間帯というY軸上で検索されちいただけだが、これからは出ているタレントや見たいキーワードでヒットしたものだけを見るようになり、そう遠くないうちにチャンネルという概念も崩壊するだろう。”というのはそのとおりだと思う。

情報の時間軸の自由度が増すというのは、はじめてVTRを購入して、時間どおりにTV番組を見なくてよくなった時の感動を思い出す。

”「TV2.0」に対応したディスプレイは、データマイニング技術やRSS、ソーシャルネットワーキングサービスらのマッシュアップ(組み合わせ)によって情報が高度化されていく”という指摘も、まさに自然の流れと納得。

とすると、”「オープンソース型のマーケット」を形成していくだろう。「ソフトウェア企業」「ネット企業」「メディア企業」は三位一体化していき、ハードウェアであるパソコンは、ますます携帯化に拍車をかけ、新たなモバイル文化を形成し始めようとしている”という方向に流れていくという指摘にも合点がいく。通信と放送の融合やモバイルビジネスの方向性にも含意がある。

一読をお薦めしたい好著だ。

一昨日も、ワンセグをPC上で視聴・録画できる「ちょいテレ」で録画したお気に入り「ロック・フジヤマ」(月曜深夜午後1時)をPCで見た後、続きをGyaoで視聴(この番組はTV放送後の部分を引き続いてGyaoで見せている)。ちょっと気になるアーティストの商品をアマゾンでチェックした後、マイスペースでPVを視聴。融合とか連携とか、なんか自然の流れになっている感じがする。

いずれにしても神田氏の、”シェアの奪い合いの時代から、ユーザーの「可処分時間」を共有し、「競争から共創」する時代に向かうだろう”という指摘が実感される。オープン・協働型のビジネスモデルをおそれずチャレンジしてみることから、次の市場が見えてくるはずだ。
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