2009/9/25
8月のコンサートも終わり、京都でのイギリスのBBCラジオの取材も終わりました。いつもコンサートが一段落すると感じるのは、なぜか空虚感です。
コンサートに向けて準備などに追われているときは、早く終わって楽しみたいと思うのですが、時間ができると、次の計画がないことに不安になるのです。 しかしその状態がしばらく続くと、次第に冷静に自分を見つめようとするので、落ち着いていきますが・・・。
先日のシルバーウィークは結婚記念日なので、「熊野古道」に夫と行ってきました。
世界自然遺産を廻る旅を今年は計画していたのですが、屋久島が人気で予約が取れず
「熊野古道」になりました。
9月の熊野灘は砂浜には、さすがに人影がすくなく、荒い波が砕けて散る白い波しぶきと沖に向かって広がる青緑色のグラデーション!!
波の音に微かに聞こえる海鳥の声・・・・海の音風景と色彩に感動しました。
踏みしめて歩く熊野古道には、古の人々の信仰が守ってきた重みを感じました。長い道のりをも修行となる信仰という力の大きさ、そして歩くことで一歩一歩深められてきた信仰の深さ!
私たちの暮らしには、見失ってしまったものがそこにはあると思いました。
那智の滝や深い熊野の山々の信仰は、私たちが超自然なる存在を雄大な自然の中に見出し、その存在に祈ることで自然の災いを逃れ、自然の恵みの中で生きていけることを願ってきたことを物語っています。
やはり自然は神のおられる場所だったのですね。
その自然の声に耳を澄ますことの大切さを、私は確信しましたが、観光地は、その声を聞くにはにぎやか過ぎますね!
熊野川と合流する北山川にある「瀞八丁」は、川と風が作り出した岩と水の芸術です。自然の作りだした造形美。悠久の時間を、今も自然は奏でているのですね!
旅は、自分がどんなに小さい存在なのか改めて知る機会になりました。私の中でくよくよ考えることの空しさを改めて感じさせてくれます。
旅はやはり、心も体もほっとさせてくれるのですね!!

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