「あの夏で待ってる」 第10話
晴れて両想いとなった「海人」と「イチカ」ですが、この2人を差し置いて今回も「柑菜」や「哲朗」たち脇役級の片思い描写が多く、哲朗→柑菜 美桜→哲朗 柑菜→海人という告白大会になっていまして、「イチカ」を噛ませ犬にした上で、このように雑多な恋愛模様を短い話数に詰め込むという方向性はどうなんでしょうかね。
あらすじには、
『イチカと海人の新たな生活が始まる。
一方、哲朗は柑菜に一昨日の出来事を誰にも言っていないこと、
そして柑菜が夏風邪をひいて体調が悪いことを皆に連絡したことを伝える。
その帰り道、柑菜のお見舞いに行こうとしている美桜に出会う。
そこで自分の気持ちを指摘された哲朗は、何も言えず1人苛立ちをつのらせる…。』
とありますが・・・・・。
私は当初、本作は「おねてぃ」に準じたような、地球人「海人」と宇宙人「イチカ」のピュアピュアラブが主軸の展開になるものと思っていたんですが、まるで裏を掻かれたようなグループ恋愛劇主体の展開ばかり。
それも「柑菜」たち片思い組ばかりが目立つ描写で、「停滞」を匂わせる謎の先輩「檸檬」のスタンスも、ここまできても何だかよくわからない。
制服が違っているという伏線回収は今後どうなるのか。
また、主役カップル達にこれといったドラマがないうちに ( 「海人」と「イチカ」はアクシデントで同居するようになったものの、お互いここが好き、ここに惹かれたという具体的描写がなく、デートすらもしていない。 ) 何となくいつの間にかの観念的やりとりだけでのカップリング成立とは、どうにも説得力がない。
決して面白くない訳じゃないんですが、主役の「イチカ」を敢えて殺して、「柑菜」や「哲朗」、「美桜」達ばかりに感情移入させようという黒田氏のストーリー、実際「イチカ」よりも「柑菜」や「美桜」の方がファンが多いようだし、ここまでやってしまうと「イチカ」が『宇宙人かつ年上の先輩』という設定がまるで生きてこないし、一体何がしたいのかという製作意図もよくわからなくなってきました。
・・・・・さて、終盤近くで「イチカ」の姉が登場しましたが、おそらく「イチカ」を連れ戻しにやって来たんでしょうね。
これで帰る、帰らないの一悶着あって、最後は「あの花」じゃないけど定石通りのみんなでお見送り、「柑菜さん、海人くんをお願いね。」のイチカサヨナラ模様のお涙頂戴展開となるんでしょうか。
ここまで「イチカ」が噛ませ犬になるとは、またこんなグループ交際劇になるとは夢にも思わなかったし、「おねてぃ」や「ツインズ」に似たものを期待した自分が馬鹿だったのか。
少なくともこの旧2作に比べれば、アニメとして場面場面の演出の出来はともかく、本作が創造的インパクトに欠けるのは確か。
こんなパターン通りの展開は見たくないんだけれどもねぇ。
今「あの夏」はどんなアニメですか?と聞かれたら、「ああ、月並みなグループ恋愛劇に、ちょっとだけ宇宙人が絡むお話ですよ。」と答えてしまうかもしれない。
まぁ、是非そうなって欲しくないとは願いますけど、どうも岡田麿里ストーリーに似たものを感じてしまう。
第10話 「先輩と僕らの。」
anonatsu10 投稿者 animeultimatv

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