ヤキマへ
今日はポートランドからシアトルへの移動日。単に自動車でインターステート5号線を北上すれば数時間で到着しそうな所ですが、せっかくなので北米最大のホップ産地ヤキマを通っていくことに。
早朝慌ただしく帰国した大窪氏とは対照的に、我々は優雅に朝食を取ってから出発。途中で今ツアー最初で最後の給油をしました。(さすがにミニバンは燃料タンクがでかいのか?)セルフのガソリンスタンドかと思って入るといきなり店員が出てきてビックリ。後でわかったことですが、オレゴン州ではセルフ給油は禁止されているとのことでした。
さあ、自動車もおなか一杯になっていざヤキマへと向かいました。
途中、Bridge of the Godを見たり、Full Sail Brewingの横を通ったりしていよいよ山道へ。ここまで来るのにすでに2時間以上かかってしまいました。無事にシアトルに着けるのでしょうか?
American Hop Museum
最初の目的地は珍しくパブではなく博物館です。
山道をさらに一時間ほど進み緑が見えてきたと思った所がToppenishの町でした。ここだけ何も知れませんが、アメリカの山はあまり木が生えてなく草もほとんど枯れているような感じで、日本的な山とはほど遠い感じです。町中をしばらく走ると目的のAmerican Hop Museumに到着しました。すぐ近くには、貨物だけだと思われますが、鉄道の駅が有り、鉄道歴史博物館みたいなのもありました。この町は博物館づいている町なのでしょうか?
自動車を降りて博物館に近づくと、なんと閉まってます。「水曜日から日曜日までオープン」って書いてあるじゃんと思っていると、メキシカン系のおばさんが現れて開けてくれました。話によるとオープンの期間は5月1日〜9月30日とのことで、後でサイトを再確認した所きちんとその旨が書かれていました。
早速中に入って見学。最初にビデオを見せられた後、展示物コーナーへ。ホップ産業の歴史からホップそのもの示まで幅広く展示されており、数時間いてもあきない感じです。ここで初めてホップの雄花と言うものを見ました。展示物にもあったのですが、1900年代くらいはホップの乾燥にマキが使われていたようなですが、となるとホップにも多少なりともスモーク香があったのかな?等ちょっと疑問に思ったこともありました。
次の予定もあったので早々に見学を切り上げ、お土産を買って(これが一番長かったのかも)次の目的地へと出発しました。願わくばもう少しゆっくりと見学したい所です。
Hopunion
続いてはホップの製造で有名なHopunionです。
Toppenishの町から30分くらいでヤキマの町に到着。Hopunionにも難なく到着できました。自動車から降りると、ものすごいホップの香り。住民から苦情が出ないのか?と思われるくらいで、香りと言うより匂いです。
ヤキマに行くならここは是非行くべきだとシカゴのスティーブ・ハンバーグ氏にアドバイスを受けたのですが、最後までここの社長のラルフ・オルソン氏にはコンタクトが取れず、見学できるか心配でした。最初にオフィスに行くと、若いお姉さんが対応してくれました。見学したいと言うと、もちろんOKだがちょっと待てとオフィスの上に消えていきました。結局、ラルフ氏は会議中だったか何かでこのお姉さんが案内してくれることに。しかし、この姉チャンが早口でしゃべりまくるので、具体的な数値等は全然ヒヤリング出来ませんでした。改めて英語力の無さを痛感しました。
まずは出荷場へ。ここでは3人くらいが働いているとのことで、出荷したホップのサンプルを全て保管しているとのこと。そのため後でもどういう品質だったか追跡調査が出来るようなことを言っていました。中は30Fに保たれているとのことで、半袖ではとても耐えられない寒さでした。
続いてペレット工場へ。ここではホップベイル(乾燥させたホールホップを圧縮機で固めた、いわばホップの塊)からホップペレットを作る工程が見学できました。まず、ベイルを粉々に砕きます。それを別の機械に送るとペレット状に固められたホップが出てきます。固めるのには二酸化炭素を使っているらしいのですが、一体どうやって固めているのか原理が理解できませんでした。お姉さんも原理まで理解してなさそうなので突っ込んだ質問はやめましたが、もし知っている方がいらっしゃいましたらお知らせ下さい。
ペレット状になったホップは袋詰めされます。これがオートマチックかと思ったのですが、そうではなく半分手作業で行われていました。箱に規定量のペレットが入った所でシーラーに送られ、(たぶん)真空パックして完成です。
続いてオフィスとつながっているラボを見せてくれました。ここではホップの分析を行なっているそうで、色々なデータを機械で分析しているとのことです。その後、タップルームで少しビールをテイスティングさせてくれ、見学は終了。テイスティングビールはSierra Nivadaのペールエールでした。
試飲ビールは時々変わるとのことです。このタップルームの半分はオーナか何かのコレクションルームにもなっているようで、タップハンドルがたくさん並んでいました。昔のサントリービールのポスターも張られていたのですが、この女性は一体誰なのか?知っている人がいたらお知らせ下さい。
Grant's Brewing Company
ヤキマ唯一のブルーパブ、Grant'sへと向かいました。
Hopunionの見学が終わったのが15:30頃。まだ昼食も取っていなかったのでブルーパブへと向かいました。調べてきた所によるとモノによって住所が違っており、まずは一番近そうな所へ向かいました。
到着してみると何やら怪しい雰囲気。近づいてみるとレストランらしき店は閉まっています。建物をぐるっと回ると張り紙があるのを発見。それによるとGrant's Brewingはここには無いとのこと。隣のレストランで飲めるそうですが、これも16:30からしから営業しないようなのでもう一つの住所へ向かいました。
自動車で10分くらい離れたちょっと郊外っぽい所に到着すると、そこは大きな工場でした。テイスティングくらいはできるかなと思い、オフィスのドアを開けようとしても閉まっています。ここのドアが閉まっている場合は隣の出荷場へ行け、みたいなことが書いてあったのでそちらに向かうと、そちらも閉まっていました。結局写真だけ撮ってそそくさとシアトルへ向かうことにしました。
Roslyn Brewing
BeerLineToday氏たっての希望でシアトルに行く途中にあるRoslynという町に寄り道しました。
ドラマだか何かのロケに使われたこの町は、ドラマの中ではアラスカのシシリーとか言う町として登場するそうです。昔は鉄道で栄えた町のようですが、現在はすっかりと廃れてしまったような感じで、観光が最も盛んな産業みたいでした。そのためか商店の半分くらいは飲食店じゃないかと言うくらい飲食店が多くありました。
そんな町にもかかわらずブルワリーがありました。ここの歴史はかなり古いようです。一応タップルームみたいなのもあるのですが、週末しか営業していないそうで、我々が行った時には閉まっていました。外からのぞくと確かに醸造設備の他、タップルームや外にはビアガーデンとおぼしきテーブル&イスが並べられていました。
ちょうどがバーだったので、ここのビールが飲めるかも知れないと思い入ってみた所、ここには置いてないとのこと。もし飲みたかったらひとブロック先のバーに行けと言われたので早速行って見ました。
中に入ると犬がお出迎えしてくれました。早速ビールを注文しようとカウンターに行くと色々テイスティングをさせてくれました。こんな田舎町のバーなのに6本くらいタップが有り、クラフトビールも置いています。しかし、お目当てのRoslyn Brewingのドラフトはないとのこと。瓶ならあるとのことで、瓶を注文してみんなで回し飲みすることにしました。
ここのブルワリーはライトとダークの2種類のビールを造っており、どちらもラガー。冷たすぎてほとんど味がわかりませんでしたが、すごく良いと言うビールでは無い感じでした。(テイスティングノートが見当たりません)
The Pike Pub and Brewery
最後はPike Pub and Breweryへ。ようやくまともなビールにありつけました。
Roslynから一時間半くらいでようやくシアトルに到着。ホテルに入ったのは21:00くらいでした。朝からまともなご飯を食べていなかったのでPike Pubでビールと食事をすることにしました。
このパブは有名なPike Place内にあるシアトルでは最も有名なブルーパブのひとつです。泊まったホテルはダウンタウンのPike Streetに面していたため、パブまではこの道を下って行くだけです。ホテルを出て10分程度でPike Placeに到着。この時点で21:30頃だったのですがPike Place内の店はすでにほとんど閉店していましたが、さすがにパブは開いていました。早速、食事を取ろうと店内へ入ったのですがグリルはすでに終了。「メシは食えないのか?」と思っていたのですがピザなどの軽食は取れるとのことで一安心してビールとつまみを注文しました。
ビールはダイアセチルっぽいのがいくつかありましたが概ね良好でした。中でもPike 'XXXXX' Stoutが濃厚なチョコレートっぽさが良く出ていて印象的でした。ハンドポンプがあるにもかかわらずカスクコンディションが無かったのがちょっと残念でした。
少しおなかも落ち着いた所で店内を見回すと、バーカウンターの後ろに発酵タンクが並んでいました。見た感じでは7バーレルくらいのサイズでした。このくらいのブルーパブだとちょうど良い大きさかも知れません。醸造設備は残念ながら発見できませんでした。

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