(葉月廿五日) 投資銀行の死  金融

私が初めての転職を決意したのはたまたまブラックマンデーの前週だった。そのときもNYダウが500ドルぐらい急落して嫌な週末を迎えたのだが、まさか次の週にあんな大暴落が起こるとは思っても見なかった。山一證券の大阪店のフロアで株価ボードが緑一色だった光景を未だに忘れられない。しかもこれから転職しようとしたのが米国の証券会社だったのだから。あのときも歴史的な瞬間に自分の人生の分かれ目だったのである。

そしてこの週はウォール街の羨望の的だった投資銀行すなわちインベストメントバンクが単体業態としてはこの世から失せてしまったという激動期に身を委ねている。思えば大恐慌のあと、証券業務の影響を銀行業務の安定化を重視して隔離する規制が米国で発足したのだが、その壁は20世紀末になくなってしまった。ところが、今は逆に証券業務の安定的資金調達のために銀行業務に再び吸収されてしまったのである。

ここにきて米系インベストメントバンクの買収に日本勢が名乗り出しているが、それは「リベンジ」になるのだろうか。インベストメントバンクの収益起源は「人」である。日本の銀行経営者がそれを御するというのは難しいことではないだろうか。
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