(文月壱拾壱日) 粛々たる革命  政治

政権選択が争点となった衆院選が投開票された。民主党の獲得議席は定数480のうち308に達する圧勝で、予想通り政権交代を果たすことになった。民主党の鳩山代表は9月中旬に召集を予定する特別国会での首相指名選挙で首相に選出され、社民、国民新両党との連立政権を発足させることになる。自民党は1955年の結党以来、初めて第1党の座を明け渡す歴史的敗北を喫した。野党第1党が選挙で過半数を獲得し、政権を奪取するのは戦後初めてである。

結果ではなくこの「出来事」そのものが、実は今回の選挙の最大の果実なのである。小選挙区制では一夜にして天下人が変わる可能性があるということを私たちは知ってしまった。民主党もまた4年後には逆の立場になりうるということだ。つまりは私たちはそんな恐るべき武器を手にしたということなのだ。

今回の選挙の最大の勝者は有権者であるということ自体、それは素晴らしいことだが恐ろしいことでもある。それだけの力を行使するだけの能力を私たちが果たして本当に持っているのかどうかを立ち止まって考えなければならない。「結果」を生み出した「プロセス」をこちらはまだしぶとく生き残っている記者クラブの方々は政局話として書くだろう。

しかし、実のところそうではない。政権交代という「結果」が新しいというのではない。そうではなくこういう「結果」が出ることがありうるという「プロセス」を私たちが手にしたことこそが、新しい時代なのではないだろうか。
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