(卯月七日) 乳と卵  読書

川上未映子著 文藝春秋

相場も休みと決めれば気晴らしに読書に専念である。今はバフェットの自叙伝である「スノーボール」をメインで読んでいるが、流石に訳本で上下巻の分厚いものなので少々食傷気味になる時も多いので、柔らかめな本を間に読むのが私のスタイルなのだ。「乳と卵」は第138回芥川賞を受賞した作品でもあり、読まれた人も多いかも知れない。しかしこの大阪生まれの才女はなかなかのものである。

最近の芥川賞というと素人から見ると???という作品が受賞するばかりという声もあれば、既存概念にとらわれない文体の巧みさを高く評価する声もある。本書もそうした最近の芥川賞らしい作品ともいえるだろう。確かに口語調で長い文章が続き、読みやすいとは決していえないが、関西弁の柔らかさがオブラートのように包み、読むものの頭に滑り込んでくる。上京してきた姉とその姪、東京の下町の狭いアパートで繰り広げられる夏の三日間の物語をこのように表現したことが受賞の対象となったようだ。

著者は作家だけでなく、元々は歌手というか音楽からスタートし、このような作品を書き上げ、最近は映画にも進出している。何か妖しいオーラをもっているようにも見える。評価は様々であろうが、偏った見方が強い本ほど、ろくな本はない。たまには少々恥ずかしい、というか興味津々で読んでもいいのではないか。本書の最後にはある種の家族愛も感じられるのだから。
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