(長月壱拾四日) 英国の財政改革  経済

英国の財政赤字はGDP比で11%と過去最大で、G7のなかでは最高水準となっている。これを改善し、5年以内にGDP比で2%付近に引き下げることを目指し、付加価値税等の増税と幅広い歳出削減をすることにした。省庁平均で24%の支出削減のため、公務員数の8%にあたる49万人の人員削減も含まれている。

英国も急速な高齢化が始まっているし、賦課型の年金制度を持っているので、社会保障費が急膨張する事は免れない。そのショックに備えるために身軽な政府にしようということだ。財政再建のための手法はいくつかある。1)経済成長による増収、2)増税による増収、3)財政支出削減による赤字削減が主なものである。英国は3)をメインにし、2)も抱き合わせというものだ。日本から見ればうらやましい改善策だが、不況をもたらすリスクも大きい。IMFの試算に拠れば1%の歳出削減は0.5%のGDP成長率の削減をもたらすから、9%の削減予定の英国は成長率が4.5%も低減しマイナス成長になることに等しい。そして、来る不況脱出のために財政支出を余儀なくされ、赤字を再拡大させる可能性も高いのである。

英国に限らず、赤字政府に必要なものは、「シーリング」のような単純な歳出削減ではなく、「民間に任せたほうが上手く行く分野の民営化」を徹底して歳出削減し、同時に成長分野に豊富な労働力の分配がされる政策を巧みにすることである。英国の計画は総論的には良いものだが、重要なのはその実行の中で、どれだけ経済成長を促せる内容かという各論と実行力にかかっている。高齢化の進む日本の方が深刻なのに。
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