(神無月廿参日 下弦) 欧州危機  金融

スペイン、ポルトガルなどユーロ圏の金融市場が再び動揺している。アイルランド向け国際金融支援の動きを受け、ユーロ圏の他の国への不安の波及が食い止められるのではとの期待が打ち砕かれた格好だ。メルケル独首相はドイツ経済界の会合で演説、アイルランドの危機はユーロ圏にとって「極めて深刻」なものであると厳しい見方を示した。アイルランドへの支援にもかかわらず、信用危機が他のユーロ圏諸国に広がる兆候をみせていることを示したこの発言で、欧州の債務危機への悲観的な見方が強まった。北朝鮮が韓国に砲撃を加えたことも、「安全への逃避」を誘いユーロ相場を圧迫した。

アガサ・クリスティの有名な小説の「そして誰もいなくなった」を思い起こす。

ユーロ圏内の金融危機は、この小説どおりに進むのではないかという懸念が投資家の中に出だしている。金融危機の基本構造が、ギリシャなりアイルランドの銀行が多額の資金調達をユーロ圏内の大銀行からして、国内に貸し付けたものの、回収できなくなり、自国政府に泣きついたものの、資金不足の政府は救済資金が無いのでECBや欧州の救済ファンドに出資を求めるものである。

ギリシャもアイルランドもECBや欧州の救済ファンドに参加し、応分の出資をしているが、危機でお金を受取る方に入ると、出資は漫才になるのでしなくなる。つまり、危機に陥るたびに、欧州の救済ファンドの額は減ってゆくのだ。スペイン、ポルトガルの事情はアイルランドに酷似している。不動産投資で大きなバブルが生まれ、弾けた。若者の失業率は4割を越えたままだ。

不良債権処理をせずに騙し騙し帳簿を弄っているだけだから、アイルランドと同じ事態になる事は周知だから、誰もが西・葡政府や銀行に貸したがらないで、国債金利、CDSスプレッドが上昇する。そして、借入額は他国より大きく、危機の影響は更に大きくなる。そうなれば、救済するための資金が増えて大きくなる一方で、出資国や出資額は減る。救済しなければ貸込んでいる独仏英銀行などが破綻してしまう。

西・葡の危機が通り過ぎたら、次は同様のイタリアかとなるだろうし、西・葡やアイルランド、ギリシャに貸している銀行を抱える独仏英が危ぶまれるようになる。つまり、救済できる国が無くなるまで危機は進行する。まさに「そして誰もいなくなった」となる。
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