(霜月壱拾四日 クリスマス) 入院5日目  

手術の夜の激痛は半端ではなかった。傷口も痛むが、それよりも背中の痛みである。12時間以上仰向けになっていたせいで、体重が背中に負荷をかけたようで、触るだけで飛び上がるような痛みが生じる。その度にナースコールをして何らかの措置してもらうが、全く効き目なし。最後は痛み止めの注射でようやく明け方の3時近くに眠ることになったが、6時前にはもう目覚める。

午前中はガーゼ交換をしてその際に手術の詳細を聞かせてもらう。私の場合、左ソケイ部は完全に崩壊しており、腹腔が手首大の大きさで落ちて、その中に腸が落ちていたらしい。その大きさは2リットルのペットボトルの3分の2ぐらいだったらしい。さらに、はみ出した腸が睾丸と癒着しており、これを剥ぐのに大変だったらしい。したがってリンパ球の関係で、タマが腫れることになるかもしれませんと、真顔で心配される。3時間近くかかった理由はこの癒着にあったようで、長年放置していたせいなのだ。

午後からは愚妻が子供達を連れてきたが、ちょうど激痛に悩まされていた時で、娘は父親の姿を見たくないのか耳を塞いでいた。手の甲に注射をして点滴をしている父を見たくはなかったのだろう。目が空ろだ。次男は久しぶりに見た親父の痩せた姿にいささか驚いているようだが、父さん頑張ってねと声をかけてくれる。クリスマスというのでケンタッキーを楽しみにしている娘は迎えに来た義妹の姿を目にすると、バイバイといって病室を後にした。Mちゃんこめんね。

この日も痛みが続くが前日よりはましだ。七転八倒する親父をみて見かねたのか、愚妻は明日も仕事の帰りに寄ると言い残していった。今日はゆっくり眠れるか。
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