(師走壱日 朔) 大晦日  

昨年の晦日は病院でむかえていた。たしか寒気のせいで雪が広島にも積もっていた。今年はそれを上回る寒波の影響で各地の雪害がつたえられている。暖冬という気象庁の当初の予想を嘲笑う自然の脅威に対して人間のできることはあまりにも小さい。

さいわいこの広島では先日の雪の影響もなく、穏やかな陽光が降り注ぎ、瀬戸内の海面を照らしている。娘の借りているビデオの一旦返却時期がきているので、愚妻と三人で広島呉道路経由で宇品に向かい、更新をしたついでに「亡国のイージス」を借りる。まず映画化は無理だろうといわれた作品だったが、防衛庁の協力で製作にこぎつけたのだろう。しかし、この手の作品を二時間あまりで表現するというのは難しい。原作を読んでいるだけに、カットしすぎだろうという箇所が目立つがこれも仕方がないところか。

矛盾にみちた自衛隊をなんとかしたいという思いが今の防衛庁にあるのかどうかは知らないが、表に出ようとする意思はよく見える。潜水艦部隊のある呉を日々通るにつけ、身近な存在としての自衛隊を印象付ける看板が目立つ。大和のふるさとと大書された元海軍工廠あとの石川島播磨のドッグは久しぶりの好況でクレーンが林立している。呉港近くの「大和ミュージアム」は今上映されている映画の影響もあって、今日も多くの見学者で周辺は車の渋滞が続いていた。

今のような日本になるために我々は犠牲になったのではないという叫びが聞こえそうな気がした大晦日の夕暮れだった。
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