(文月七日 七夕) また偽装  

今日の朝日新聞の一面は経済新聞たる日経がスクープすべきではなかったか。いかにも政治色の強い天皇の靖国参拝問題よりも、日本の製造業の根幹ともいえる問題を見逃していた罪は大きい。

偽装請負とは、契約上は業務請負だが、実態が人材派遣に該当するものである。派遣は注文先企業が派遣労働者に仕事上の命令を出すが、請負事業では請負とは「いついつまでに、これこれの仕事をやってください」という形で仕事を受け、注文主と労働者との間に指揮命令関係を生じない。

「偽装請負」という仕組みは、メーカー側が労働者を直接、指揮命令できるという点で好都合だった。「品質を保つには指示も必要で、工場の生産ラインの大半は偽装請負にならざるを得ない」とメーカー関係者はいう。請負の活用は、電機業界の採用を機に爆発的に増えた。自動車などよりも海外との競争が激しい上、製品の寿命も短い。ころころ変わる現場の仕事に順応しやすい請負労働者が大量に必要になった。とくに、細くてよく動く指をもつ若い女性や、重いモノの運搬に耐えられる若い男性をメーカーは欲しがった。 その要求通り、請負会社は、東北、九州など求人の少ない地方から大量の若者を集めた。地方から都会に出る出稼ぎと違い、彼らの多くは地方から地方へと送り込まれた。そこに最新鋭工場がつくられたからだ。

請負契約であれば、それを締結した個人は業者ということになり、労働者ではなくなり、労働基準法の適用を受けず、労働時間に関する規制などの対象とはならない。偽装請負をすれば、解雇も簡単に出来、休憩を与える義務もない。残業代等は出ないし、休日に出勤手当もない。通勤費用も出ない。有給休暇もない。保険は国民健康保険に加入。保険料は全額本人負担。

国内にも中国並みの苛酷な労働条件で働いている若者がいる。これで「製造業の国内回帰」と堂々と云っている日経の本音がみえる。
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