千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは)
からくれなゐに 水くくるとは
在原業平朝臣(17番) 『古今集』秋・294
瀬を早(はや)み 岩にせかるる 滝川(たきがは)の
われても末(すゑ)に 逢はむとぞ思ふ
崇徳院(77番) 『詞花集』恋・228
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで
陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)ゆゑに
乱れそめにし われならなくに
河原左大臣(14番) 『古今集』恋四・724
「君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな」
藤原義孝という、中古三十六歌仙の一人
「いかばかり 思ひけめかも しきたへの 枕片去る 夢に見え来し」(湯原王の妻)
忘れじの 行く末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな」
作者は、儀同三司母(ぎどうさんしのはは)
大江(おほえ)山 いく野の道の 遠(とほ)ければ
まだふみもみず 天の橋立
小式部内侍(60番) 『金葉集』雑上・550
「唐衣(からころも)(=枕詞(まくらことば))きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ」
名にしおはば いざ言問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと(在原業平)

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