『ちいさいおうち』(英:The Little House)は、アメリカ合衆国の絵本作家であるバージニア・リー・バートンの代表作で1942年に描かれ、[コールデコット賞]を受賞している。
1952年にウォルト・ディズニー・カンパニーによって短編アニメ映画が製作された。日本語訳は石井桃子によって翻訳され、岩波書店から1954年に発行された。
あらすじ
むかし、あるところに小さな一軒家があった[1]。リンゴの木に囲まれて小さな丘の上にそびえ立つ家は、住人と共に毎日自然豊かな田舎ならではののどかな生活送っていたものの、月明かりの遠くに見える市街地の情景を見て、そこで生活したらどんな気分だろうかとも思った。
それから時を経て、小さな家の周りが徐々に開発され始める。最初は新たな住宅が立ち並び、やがて全て取り払われたかと思いきや、いつの間にかアパートが家を囲んでおり、小さな家の前の通りには路面電車が走るようになった。さらに、同じ通りを高架鉄道や地下鉄まで走り始め、いつの間にか家の周囲はさらに大きな高層ビルが建設され、そこにはリンゴの木も丘も何もなくなっていた。とうとう辺り一面、ネオンサインが毎晩眩しいばかりに光り輝き、人々が忙しそうに歩いていく大都会の中心になっていたのである。家の前では多数の電車やバスや自動車が毎日留まることを知らずに走り続け、家を囲む空気は、埃や煙でかつてと比較にならないほど汚れていた。いつからか住む者もいなくなり朽ちるようにボロボロになっていた家は、もう通行人にも見向きもされなくなった。家はやがて寂しい気持ちになり、田舎での生活と過去を懐かしむようになった。
そんなある春の日、偶然通りかかった家族連れの女性が小さな家を指差した。実は、この女性はかつての小さな家の家主の9代目であり、その小さな家こそ彼女の先祖の生家だった。彼女はどうにかして家を助け出そうと思いめぐらせた。そこで女性は、大工に頼んで、小さな家を都会から離れた田舎の丘の上に移築させる。こうして彼女とその家族と共に新たな生活を始めた家は、再びのどかな生活を謳歌できることを心から嬉しく思い、再び幸せな時間を過ごしはじめるのだった。
映画
ポータル ディズニー
『小さな家』 (The Little House) は、1952年(昭和27年)8月8日にアメリカ合衆国で公開されたアニメ映画。カラー、スタンダード。
ナレーターはスターリング・ホロウェイ[2]が担当している。日本語吹き替え版は、ナレーターを関時男、牛山茂、西本裕行らが担当した。

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