大分の男女ユニット、といってもめおとではなく、どちらかというと親子かも?何年前になるだろう、美星のフェスで初めて見て、すぐファンになった。その頃、ベースとヴォーカルの優ちゃんは、まだちょっと頼りなげな感じで、一生懸命さがとても印象的だった。それから、福岡、宝塚、滋賀、とあちこちのフェスで見るたびに、どんどんうまくなっていき、昨年は滋賀のコンテストにも出場してくれた。結果は僅差で優勝を逃したのだが、私はバンドメンバーが参加している別のバンドがエントリーしていたにもかかわらず、彼らのユニットに一票を投じた。それはもう、お友達だからとか、以前と比べて上手になったとかそんなレベルでは全くなくて、よい音楽をストレートにぶつけて私を感動させてくれた、ただそれだけの正直な気持ちだった。
実際、受付にいて、ステージの様子は全く見えず、軽妙なA尾さんのMCも内容は理解できない。私とステージの間には、たくさんの観客の皆さんがいて、視界だけでなく音まで遮っていた、そんな状態にもかかわらず、である。彼女の歌で空気が変わったのがわかったのだ。ほんとは最前列で見たかった、応援したかった、でもまだ遅れて参加する人がいるので、受付をクローズすることはできないし、昨年の無念さもあったので、今年は最後までちゃんと仕事がしたかった。という訳で、私はもれ聞こえてくる彼らの音を一生懸命追いかけたのだった。
せっかくの30分のステージを、そんな聞き方しかできなかったので、今回のライブは本当に嬉しくて、楽しみにしていた。体調も万全に整えて、オッピドムのお運びも、今回は申し訳ないがパスさせてもらうことにした。
デルモアのLay Down My Old Guitarで始まった1stセットは、間に横山レモン師匠ことA尾さんのMCを挟んで、全9曲。jazzyなもの、ブルーグラスのスタンダードなどうまくちりばめながら進んでいく。今、録音を聞きながらこれを書いているのだが、音だけ聴いてると、また違った印象を受ける。優ちゃんのやさしい、気ぃ使いんな性格は、面と向かってると顔から伝わってくるのだが、音からは、もう少しクールな、しゅっとした感じ(なんて表現力がないんだろ、私。)が聞き取れる。スマート、ってもう死語?
それにしても、なんとおしゃれな選曲だろうか。これはA尾さんの趣味かなあ?ギターは絶妙なタイミングでソフトに絡んで、これぞ女性ヴォーカルをバックアップする一番美しい形!って感じだし(横で聞いてたN美曰く。)プロデューサーとしても凄腕なんだろうなあ。
客席は、彼らの本拠地が大分、ということもあり、Country Gold繋がりで以前からお世話になってる人たちとか、飯田高原のフェスに呼んでもらった人たちとか、(つまりは私も知ってる人ばっかりなんだけど)年齢層としては、20代後半が若干名、後は中高年がほとんどだった。なので、優ちゃんは、ここ大阪でも『中高年のアイドル』の名をほしいままにした訳だ。
2ndセットは、関西の友人をゲストに呼んで5曲。トップバッターはハッシーのドブロ。続いて我らがじょにーが登場。いつもオッピ先生にぼろかすに言われる彼も、この日はお褒めの言葉を貰っていた。
最後に京都からS田くんが参加。(そういえば、ゲスト三都物語?)そしてみんなで一緒に。
関西でしゃべりで勝負するのは難しい、とMCで言うてはったけど、いえいえ、レモン師匠、さすがは関西の大学で修行されただけありますわ。調子の悪いときのじょにーよりよっぽど面白かったです。
3つめのセットはまた二人で。彼女の歌は、ぴしーっと音が決まる、というより、ちょっと危ういような(あくまでも「ような」)微妙な音がゾクッとする。息の抜き方とか裏返し方に、何ともいえない上品な色気があってすてき。言葉にするのはほんとに難しいなあ。大阪人得意の擬音で「ばーっ」とか「がーっ」とか言い表せないのが残念だ。(ぽつではどっちかというと、こんな感じ。)私とかぶってるレパもいくつかあるのだが、全く違う。今回はI'll Still Write Your Name In The Sand を勉強させてもらった。
アンコール2曲も全て終わり、大満足でそのまま帰宅。というのも、前日の職場の新年会でお疲れだったのと、翌日の冬フェスに備えて体力温存を図ったため。後で聞いたら、少人数の打ち上げだったらしいので、行ったら良かったかなあ…

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