2009/1/31

フランスのゼネストに思う  政治

フランスでは「雇用確保と賃上げ」を求めて全国規模のゼネストとデモ行進が行われた。250万人が参加した。

フランスで大規模ゼネスト 250万人が参加!」(人類猫化計画さん)

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30日朝のNHKBSニュースは「交通機関が麻痺して、市民生活に支障が出ている」と締めくくった。

だが、直後の「フランス・ドウ」のニュースは、デモ行進に参加していた労働者の声を伝えて締めくくった。

「企業は我々が働いたことによって、利益を上げた。まだ十分に利益があるのに、我々の雇用を守らないのはおかしい。我々は雇用確保のために闘う」

日本とフランスの報道の違いに、というより、日本の報道のおかしさに腹が立った。

ストライキは労働者の権利だ。彼らがストライキをする時は確かに日常に不利益を被るかもしれない。でも彼らがストライキをすることによって、守られるものは、彼らだけのものではない。自分たちも守られる。

フランスでは確か昨年秋頃にも教員のストライキがあった。

その時のフランスのニュースは、「行き場のなくなった子どもたちを預かる受け皿を自治体がちゃんと用意したかのチェック」だった。ちゃんとスタッフと施設を用意した自治体は取材を受けて、誇らしげだった。用意しなかった自治体は批判されていた。

ストライキはフランスに限らない。アメリカでは脚本家のストライキが話題になった。有名俳優たちも脚本家を支持していた。

日本でもかつては「春闘」でストライキが風物詩(?)だった。国鉄民営化は労組つぶしが目的だったのではないかとすら思う。経営者にとっては労働組合は憎き存在だろう。民間のサラリーマン、中小企業の労働者にとっては官公労は「特権階級」に見えたろう。

だが、国労、動労がつぶされて、日本の労働環境は確実に悪くなった。「過労死」「自殺」「ワーキングプア」「非正規雇用」「貧困社会」「子どもの貧困」・・・は労組つぶしと無縁ではない。

そんなことを考えていた時、私の支えでもある村野瀬玲奈さんがまさにそのタイミングで以下のような記事を挙げていた。「村野瀬玲奈の秘書課広報室」より

こちら⇒「フランスの大規模ストを伝える毎日新聞の記事を賞賛します

そこで紹介されていた「イル・コモンズのふた」さんの言葉
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「都市の地下鉄運行が半減し終日、混乱した。」
「主要都市で交通機関の3〜7割がマヒしている。」
「市民生活への影響が出ています。」

これじゃまるで、台風や地震の被害を伝えるニュースみたいだ。
こんなものを、子どもの時からずっと見せられたら、
そりゃ誰だって、ストと聞くと、脊髄反射的に、つまり、
何も考えずに、「えー、迷惑だなぁ」と思うようになるだろう。

「市民生活への影響が出ています」とはいうが、
そのストやデモをやってるのも市民たちであって、
その市民たちがどんな理由で、またどんな表情で、
どんな思いで、どんなふうにストやデモをしているかを、
マスメディアは伝えない。市民の意志を伝えない。

「混乱した」のではない、市民が自らの意志で電車をとめたのだ。
「マヒしている」のではない、市民が自らの意志で交通をマヒさせたのだ。
「市民生活への影響」ではない、市民自らの意志で行動を起こしたのだ。
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村野瀬さんは記事の最後の方で、「毎日新聞の記事に書いてあることに注目してほしい。『フランス国民の7割がこのストを支持している』という一文です」と書いている。

私がさらに追記すると、NHKBSニュースも夕方には、「市民生活に支障」は言わず、「フランス国民の8割が支持している」と伝えたんだよ!!

NHKにも問題意識を持った記者(デスク?)がいると感じた。

ともかく、日本の新聞・メディアだけではだめだ。日本のメディアは「勝ち組」の人達が多い。中堅の人達は、もちろん全部ではないが傾向として、豊かな家庭で育ち、受験競争に勝ち抜いたエリートが多いから、どうしても権力に近い偏った方向になる。

誰かが権利を行使した時、それは自分の権利も守ることになる、また、その迷惑を引き受けることは、自分が権利を行使するためにも必要だということはちゃんと知っておこう。
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