2011/9/20

最近見た映画  映画

夏休みに見た映画は3本。「コクリコ坂から」(感想はもう書いた)、「運命の山」、「ゴーストライター」。

「運命の山」(ドイツ映画)8千mの山全てを無酸素登山したメスナーが主人公の話。(同名の著作がある)。

ドイツ登山隊がヒマラヤ山系ナンバ・パルバットに挑む。メスナー兄弟は登頂に成功するものの、下山中に遭難、メスナーは弟を失う。登山隊は兄弟を見捨てて撤退してしまう。メスナーは独力で下山。カシミールの紛争地、武装ゲリラに助けられながら、ようやく登山隊に合流できた。

その後、登頂を巡って登山隊隊長とメスナーは争い、14件もの訴訟へと拡がっていったという。

とにかく、ヒマラヤの巨大な山容と聳え立つ岩壁に圧倒される。そして苛酷な自然。これは映画館で見てこその迫力。撮影隊と俳優に拍手。

その巨大な山嶽と比べると人間は本当に小さな存在だけれど、それでも聳え立つ岩に挑んでいく勇気に人間の強さも感じる。そして、遭難後の困難を極めた下山行はただただメスナーの並外れた精神力と強靭な肉体に驚かされる。

映画はメスナー兄弟の競争心、登山隊内の確執、初登頂争いも描いていく。が、物足りない。

特に隊長がキャンプ地に連れてきた妻?秘書?に口述筆記をさせている場面が多いのだが、これが退屈。もっと人間関係を描いた方がよかった。

私としては、メスナーが武装ゲリラに助けられる顛末の方が興味津々だった。

「ゴーストライター」。

ユアン・マクレガー主演、ロマン・ポランスキー監督作品というだけで、期待してしまう。

イギリス前首相の自叙伝のゴーストライターとなったユアン。前任者は不慮の死を遂げていた。次第に国際的な陰謀に巻き込まれていく。

面白かった。映画の3分の2くらいまでは、映画に酔うような感じ。

荒涼たる島。強風と、なびく枯れ草。荒れた暗い海。灰色に垂れ込めた空。怪しげなアジア人の使用人や無表情な警備員。安ホテル、いきなりぬっと現われる老漁師。能天気な前首相と有能で豊満な女性秘書、神経質そうな首相夫人と、微妙な人間関係。

ミステリアスな雰囲気に満ちている。描き方が巧い。

ユアンの無垢な瞳や、さりげないユーモアに、観客は感情移入していく。

映画はイラク戦争、英首相(ブレア前首相)、CIA、テロ容疑者への拷問等々、政治的主題を扱っている。

英国首相は当然のことながら、イラク戦争を支持し協力した日本の政治家の姿にも重なってくる。

が、ポランスキーは政治的主題を中心テーマに据えているとは思えなかった。ミステリーなんですよね。

映画の3分の2と、書いた。後半3分の1、ゴーストライターが大学教授邸を訪れるあたりから、急速に映画に酔う気持ちが後退していった。う〜ん?ちょっと安易じゃない?辻褄が合わない。

どんでん返しみたいな結末はそれなり面白かったけど。

ラストシーンはウッディ・アレンの「タロットカード殺人事件」を思い出して、プッと笑ってしまった。(まじめな見方ではない)

それと、「ボーン(ボーン・シリーズ)なら、あんな無防備じゃないよ、もっと気をつけてよ」なんて余計なことを思っていた。

というわけで、後半はかなり冷めて見てました。

結局、映画が終わって場内が段々明るくなる時に、まだ映画の中にいるような気持或いは、映画のシーンを反芻するような映画が、私にとって良い映画。

残念ながら、この2作はそうではなかった。もちろん上出来な作品なので、楽しめます。お勧めです。
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