2014/5/21

「8月の家族たち」を見た  映画

5月初めに見たのに、全然、感想をまとめることができなかった。

予想していたのと全く違った映画だった。

そもそもこの映画を観ようと思った理由は(1)トニー賞を取った演劇(2)アカデミー賞候補になった(3)ベネディクトが出ている。(4)豪華な俳優陣。

父の失踪で、故郷の家に戻った娘たち。アルコール依存、薬物依存、不倫、別居、非行、恋愛、病気、介護、ニート、家族の様々な問題が明らかになる。人間関係の葛藤が描かれる。

だから、客観的に、人間ドラマを見て、俳優たちの演技を堪能すればよいのだと思っていた。

俳優たちは素晴らしい。メリル・ストリーブはいつも通り、その演技術で複雑な人間を造形する。ジュリア・ロバーツは演じてると思わせない自然な立居振舞で、長女の複雑な感情を表現する。食事の長いシーン、アンサンブルは見事。

脚本も、ビューリッツァ賞受賞作であることを納得。「A」と言っていたことは、話が進むにつれ、Bのことを差し、それはCのことでもあり、Dのことでもある。ジョークで言っていると思ったことが、実は真実を言っていたと、分かる。

ミステリー仕立て、という人もいた。表面上は女同士の対立のようで、その背景にいる男たちの物語でもある、という見立てもあった。ネィティブアメリカンの意味を話す人もいた。コメディだという人もいる。

重層的な物語である。

が、そんなことはどうでもいい。

いくつかの感想に、

「この映画は『私的』なところを突いてくる」

「映画上映中、大半は苦い顔をしているか、泣いていた」

「身につまされる台詞」

「人の心の痛いところを突きさす。痛い痛い映画」

というのがあった。

そうなのだ。

少々ネタバレがあるので、続きに書きます。









ある人は「姉とギクシャクしていたので、自分と重ね合わせて、泣いた」
ある人は「『ここを仕切っているのは私よ』に長女の責任感を見て、身につまされた」
ある人は「『大学まで出したのに、大統領にすらなれたのに』という母親の言葉が辛かった。別に大統領になりたいとは思わなかったが、親の期待には応えられなかった」
ある人は「『お前が家に帰ってこなかったから、父親は死んだ』なんてひどい」

他の物語はどうでもよくなって、母と娘のことばかり見ていた。

だって、私は三姉妹なのだ。大学まで出してもらって、実家には帰らなかった。故郷に親を置き去りにしていた。

最後、一人になって、不安から住込みのお手伝いさん(ネィティブインディアン)の名を呼ぶ母親。

堪(こた)えた。涙が止まらなくなった。ごめんなさい。お母さん。一人暮らしをさせて。

今でも思い出すと涙がぽたぽた落ちる。

本当に「私的」「個人的」なところ、痛いところを突いてくる映画だった。予想外だった。こんな映画を見たことがない。
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