2017/1/28

未来を花束にして  映画

ずっと公開を待っていた「サフラジェット」=「未来を花束にして」(なんちゅう邦題なんじゃ)を見に行った。公開初日に行ったよ。

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サフラジェットとは戦闘的女性参政権運動家のことだ。50年来穏健な参政権運動を進めてきた女性たち。しかしその願いがかなうことはなかった。

そんな中、エメリン・パンクハーストは「女性政治同盟」を結成し「言葉より行動を」と呼びかけた。

(エメリン・パンクハーストはロンドン議会横に銅像がたっているそうだ)



映画では商店のウィンドウに投石したり、電話線を切断したり、首相の別荘を爆破するなど彼女たちの過激な行動も描かれている。一方、集会での警察の凄まじい暴力や獄中ハンストを行う彼女たちへの食餌強制も描かれる。

架空人物というが、主人公のモードが偶然の成り行きで下院の公聴会で証言する場面。淡々と洗濯工場の女性労働者の境遇を語るうち、「選挙権にはないとおもっていたので、意見もありません」「では何故ここに?」「もしかしたら…他の生き方が…あるのではと…」

この場面は印象的だった。

彼女の生き方は次第に変わっていく。理不尽な目に遭いながら、その中で次第に自らの生き方を決めていく。

女性に親権がないのはおかしい。女性の賃金が低いのはおかしい。女性だからという理由で学ぶことができないのはおかしい。一方的に暴力を振るわれるのはおかしい。

サフラジェット達を取り締まる警部は「法を守る」という。彼女たちは「法を作る」と答える。それには参政権がなくてはならない。

この警部も印象的だ。新入りのモードに目をつけ、「洗脳された」「利用されている」「お前は一兵卒に過ぎない」と転向させようとする。

やがて、モードは警察官に「あなたも兵卒に過ぎない」と突っぱねる。かっこいい!

そうなんだよ! 世の中の理不尽には闘わなくてはいけないんだよ。

私は「闘う映画」が好きなんだなぁと思った。だから「この世界の片隅に」は嫌いだった。

俳優さん達、皆魅力的だった。主人公のキャリー・マリガン。「プライドと偏見」の美少女。戸惑いながら、次第にサフラジェットの変貌していくありさまを自然に力強く演じた。

夫役、最初ひょろりとした冴えない男だなぁと思って見ていたが、なんか目が大きくて瞳がきれい、「あれ、待てよ」・・・「ウィショーくんじゃん!!」

あんな下層労働者を演じるなんて。でも全く違和感なく、当時の男性として、当たり前の感情態度を取る。彼も可哀想だなぁ。

そして、涙を流さずにはいられないのはモードと一人息子の場面。こういうの私は弱い。息子が出てくるだけで、もう泣いてしまう。

同僚で、サフラジェットへ誘うヴァイオレット役はアン・マリー・ダフ。知らなかったが名優とのこと。すごいリアリティがあった。

ヘレン・ボトム・カーターは逮捕歴9回の筋入り活動家。なんと彼女の曽祖父が当時の首相で、サフラジェット達を弾圧したという。知的で信念を持った肝っ玉母さん風女性を的確に演じていた

エメリン・パンクハースト夫人役はメリル・ストリープ。出演時間は短いが、とにかくカリスマの雰囲気。活動家たちが憧れ、仰ぎ見る存在ということを一瞬で納得させてしまう。

で、NHK「映像の世紀」でも取り上げられていた競馬場での悲劇になる。その行為の意味はまだよくわからない。だがこの事件が世論を大きく動かしたのは間違いないようだ。

トランプ大統領就任式の翌日世界中で「Women's March」が行われたが、ロンドンでは「サフラジェット」の扮装の女性たちがいた。彼女たちの闘いがあっての「女性の権利」だ。

エンドロールに、女性参政権が認められた年と国名が出てくる。一番早いのはニュージーランド。最近はサウジアラビアの2015年。日本は画面には表示されなかった。

サフラジェットたちの過激な行動には批判もある。だが、女性たちが置かれた状況そのものが暴力的だった。過激な行動なくして参政権が得られたのか、もっと良い方法があったのか?

これはいつも問われる問題だね。

映画の中でも活動家たちの意見は分かれていた。それでも友情は変わらなかった。

ただ、自らの状況は自分たちで闘うことでしか、改善できない。それは真実。

そして過去闘ってきた人たちがいるから、私たちは20世紀初頭よりも恵まれた境遇にいるのだ。でも、まだまだ課題は多い。いつも繰り返しになるけど、やれることをやっていくしかない。

2015年12月ロンドンに行った時「ロンドン博物館」にいったのだが、グッズ売り場に「サフラジェット」の本、資料が置いてあった。「ここで特別展があったのかな」と思ったのを覚えている。

「この世の片隅に」のすずさんが大好きな男性たち、こういう映画も見てほしいと思う。

何より女性たちにぜひ見てほしい。特に若い女性たちは励まされることが多いと思う。
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