2019/5/25

ROH「運命の力」  音楽

楽しみにしていたロイヤルオペラハウス「運命の力」ライブビューイング、初日24日に早速行ってきた。

新横浜駅で権米衛のおにぎりを購入、ステンレスボトルには麦茶を入れてきた。映画館へ飲食物持ち込みが禁止なのは知っているけれど、映画館の食べ物は貧相だし高い。オペラの長丁場、おにぎりで腹ごしらえが一番いいと思ってる。

今回はプレミアムシアターなので、プレミアムシートでゆったりできる。普段1,100円の所、5,000円払うのだから当然だよね。

METライブビューイングでも3,800円なのに、5,000円。高いのはネトレプコ&カウフマンのせい?オペラ自体即完売で、転売で40万円になったというから、強気の設定なのね。

客席は5〜6割の埋まっていた。男性女性半々くらい。

ライブビューイングの良いところは解説が入るところ。ヴェルディと教会の関係など参考になった。指揮のパッパーノの話はピアノ入りでわかりやすい。出演者の話も興味深い。ネトレプコさんは喉にも良いって言っていたな。



序曲。これ、有名な曲。最初の管楽器の音は難しいなぁと思う。カウフマンさんコンサート、サントリーホールでも音がイマイチだった。

あの「運命」のフレーズは印象的。オペラの中で何度も現れる。

この序曲の間、舞台ではカラトラーヴァ伯爵家の暗く寒々しい食卓風景が描かれる。家父長的な、抑圧的厳格な父親像だ。

幼いレオノーラと弟がミケランジェロの「ピエタ」のポーズ、兄のドン・カルトが祈る。と、弟は突然亡くなる。

数年後、レオノーラは外の世界への関心を示すが兄が暴力的にそれを制す。この二人がネトレプコ&テジエになっても冷たい兄と戸惑う妹の関係は同じ。

(この二人の関係をどう描きたいのかはよくわからなかった)

そして、この「ピエタ」ポーズが最終盤にまた出て来るけれど、意味不明だった。

この序曲が終わると、ネトレプコさんの歌。恋人と駆け落ちすることになっているが、父親への想いが断ちきれない。

ドン・アルヴァーロ登場。最初から100%とカウフマンさんが言う通り、ハイテンションだ。そして、悲劇が起きる。

前半はレオノーラ中心なので、完全にネトレプコさんが制圧。凄まじい歌唱力だ。ブラボーの声が鳴りやまない。2幕の最後、「天使の中の聖処女」の歌は本当に美しかった。修道士の男声合唱をバックに歌い上げる。

この後はカウフマンさんとテジエさんのバチバチ。

第3幕序盤、ドン・アルヴァーロ「君は天使の腕に抱かれて」。このイントロのクラリネット、パッパーノさんがショパンの夜想曲のようだ、と解説していた。

この時、舞台は娼婦を買う場面が挿入された。相手はプレツィオジッラ役の人。これ不要だと思った。(すぐに戻り、アリアになるけれど)

長大で難しいアリア。よくこんなの歌えるよねぇ。

「Leonora mia, soccorrimi」の「Leonora mia」が優しく美しく歌われて、ジーンとしてしまう。ここCDで聴いても好きなところ。

カウフマンさんのこの役を見ていると、「西部の娘」より全然いいなと思う。苦悩を抱えた役を演じさせると他の追随を許さないね。

そして、男声二重唱。カウフマンさんとテジエさんの声の相性がよくて、最高。カウフマンさんの高音の輝かしさが余計に引き立つ。

テジエさんのアリアも大きなブラボーだった。

この後、アルヴァーロが自分の運命を呪い、宗教に救いを求めるようになる場面の説得力がレオノーラに比べて、弱いような気がする。

第4幕、メリトーネ修道士のコミカルな歌も魅せた。第2幕からグァルディアーノ神父(フルラネット)の真摯で重厚な佇まいはオペラ全体を締めていたと思う。

あくまで復讐を果たそうとするドン・カルロとアルヴァーロの対決、バチバチ。

これ、ミュンヘンの二人の対決の方が良かったように思うのねぇ。カウフマンさんの運動神経の良さが発揮されて、アルヴァーロの心の迷い、逡巡、そして怒りが見事に表現されていたと思う。

そう、それとミュンヘンの黒髪長髪のアルヴァーロはインカ王族の血をひく若者を的確に表していたと思う。野性児で、誇りと差別への怒り、屈折した思いを抱える人物像が明確だったと思う。

4幕2場レオノーラのアリア「神よ平和を与えたまえ」。有名曲。この時もブラボーが鳴りやまなかった。

アルヴァーロがレオノーラに気づく場面、歌はカウフマンさんの切迫感ある歌唱なので、もっと焦点を当ててほしかったな。なんかさっと流されたような気がする。

そして、レオノーラが聖母マリアになりアルヴァーロが横たわる場面、必要だったかな?上にも書いたが、よく意味が分からなかった。

第2幕からレオノーラは聖母マリアに仮託されていたと思う。ベールのかぶり方とかポーズとか。あ、第1幕の「ピエタ」からか。

このオペラの酒場やカーニバル。オペラとしては必要らしいのだけど、なんか全体としてはチグハグ。

ロンドンでこのオペラを見た方の感想で「プレツィオジッラ」役が声量不足で格下、とあった。映画で見た時はこの方、美しいしスタイル良いし、何より動きのキレがよくて、魅力的だと思った。

でも、あとでBBCのネットラジオで聴いた時は声だけなので、指摘通り、声量不足、確かに精彩を欠いていた。

カーテンコール。最初出て来た時、カウフマンさんとテジエさんは観客の反応に「やったぜ!」のようだったが、ネトレプコさんは表情が硬かった。「役から抜けるのにちょっと時間が必要」と「アドリアーナ・ルクーブル」でも語っていた。

カーテンコールで赤いバラの花束が投げ入れられた。これは前にもこのblogに書いた通り。でも、本当に、投げてくれた方、ありがとう!同じ気持ち。

私のツィートが英国ロイヤルオペラライブユーイング公式さんにリツィートされた。嬉しいような恥ずかしいような。



これ、メリトーネ修道士役コルベッリさんが拾ってカウフマンさんに渡した。みんながカウフマンさんが花束をもらうのは当然と思っている所がなんかいいな。

主役三人の歌を聴くだけで、5000円の価値はあった。←金額にこだわる。

星野珈琲店で一休みして、新横浜行きバス(1時間に1本になっていた。前はもっと本数が多かった)で帰宅。

あー楽しかった!!

1




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ