2019/11/28
1年ぶりサントリーホール 音楽
26日にサントリーホールに行った。昨年のキーシン以来1年ぶりだ。
アークヒルズのクリスマスツリー

1月下旬の気温と聞いていたので着込んできたが、開場を待っている間の北風は冷たかった。

いよいよ開場。
聴きに行ったのはこちら。

ショパンコンクール優勝のチョ・ソンジンの演奏は一度聴いてみたいと思っていた。
それにベートーベン「皇帝」は好きな曲だ。CDはグレン・グールドのものを持っていて、よく聴いていた。バッハのピアノ協奏曲と2曲入ったCDだけれど「皇帝」ばかり聴いていた。バッハより明るいと思って、その頃の気持ちにはこちらの方が心地よかった。
もう一つの「英雄」は生演奏で聴いたことがなかったので、ぜひ聴きたかった。
チケットは完売。
私の席は前の方の右端。舞台を見上げるような席で、舞台の右側の弦楽器しか見えない。
指揮者はもちろん見える。ピアニストは顔がちらりと見えるくらいだ。
音の響きも正面席に比べると劣ると思う。
「皇帝」が始まった。最初のピアノの印象は、穏やかで優しい。
弦楽器のピッチカートとピアノの重なりあいの響きはウットリするほど美しかった。
もちろん、強い箇所はバーンと力強い。
全体としての印象は最初と同じ、柔和、穏やか、流麗という感じ。本人と佇まいもあって、優しい音楽と言う感じだ。
プログラムを見ると「チョ・ソンジンは美しさ、哀愁、激しさを持つピアニスト」とあった。今回は、「激しさ」は曲の感じもあって、あまり感じなかった。
休憩。
ふと見ると着物姿の大柄な美しい人、なんと檀ふみさんだった。ステキだった。
それと近くに見たことのある若者がいて、「牛田君じゃないし」と思ったのだが、ひょっとして藤田真央さんだったかもしれない。
前の方の席にはハイヒールのおしゃれな方、鮮やかな緑のワンピースを着こなしている女性など、音楽関係のアーティストかなと思われる人々がいらっしゃった。
ベートーベン3番「英雄」
目の前がコントラバスなので、「あ、ここでこういう風にバスの音が入るのか」とよくわかった。それにしても奏者は大柄だなぁと思った。
席が低い位置で右端だからオーケストラ全体が見えないのはとても残念。特に管楽器の演奏姿は見たかったな。
それでも、家でテレビやプレーヤーで聴くのと違って、ホールでは音が立体的に聴こえる。厚みがある。生演奏の良さだ。
それとケルン放送交響楽団はさすがにドイツのオーケストラなのでベートーベンは手慣れているなぁと思った。
英雄を聴きながら、ドナルド・キーンさんのお話を思い出していた。戦争で捕虜となった日本人兵士と接していたが、ある時その中の一人から「英雄」を聴きたいと言われた、それでレコードをかけた、という話。
その兵士はどのような思いで「英雄」を聴いたのだろう。平時は音楽好きの、多分学生生活をおくったことのある兵士だったのじゃないだろうか。
私はいつも英雄の4楽章かな、途中で曲調が代わるところがあるのだけど、あれを聴くと「軍歌」のようだと思う。つい「若鷲の歌」(予科練の歌)を思い出してしまうのだ。
ベートーベンの「英雄」はよく知られているようにナポレオンに献呈するつもりだったが、ナポレオンが皇帝になってしまったので献呈を止めた。ベートーベンはどんな気持だったのか等と、とりとめもないことを考えていた。
私が取り留めもないことを考えているということは、没入していないことだ。今一つ乗りきれなかった。
曲が終わると「ブラボー」の声がかかった。いろんなところからブラボーの声が聞こえた。
アンコールはこちら。

ブラームスは優しく美しかった。オケのアンコールはベートーベンということは分かったが、何番かはもう記憶力がない。わかるのは5番、7番、9番だけ。6番も最初の楽章しかわからない。
家に帰りついたら11時近かった。都心に出かけるのが段々きつくなる。六本木一丁目まで日吉から乗った南北線は「浦和美園行」だった。この終点まで日本代表戦@埼玉スタジアムを見によく行ったなぁ。今じゃとても考えられない。
結局このコンサートで一番印象的だったのは壇ふみさんの和服姿でした。
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アークヒルズのクリスマスツリー

1月下旬の気温と聞いていたので着込んできたが、開場を待っている間の北風は冷たかった。

いよいよ開場。
聴きに行ったのはこちら。

ショパンコンクール優勝のチョ・ソンジンの演奏は一度聴いてみたいと思っていた。
それにベートーベン「皇帝」は好きな曲だ。CDはグレン・グールドのものを持っていて、よく聴いていた。バッハのピアノ協奏曲と2曲入ったCDだけれど「皇帝」ばかり聴いていた。バッハより明るいと思って、その頃の気持ちにはこちらの方が心地よかった。
もう一つの「英雄」は生演奏で聴いたことがなかったので、ぜひ聴きたかった。
チケットは完売。
私の席は前の方の右端。舞台を見上げるような席で、舞台の右側の弦楽器しか見えない。
指揮者はもちろん見える。ピアニストは顔がちらりと見えるくらいだ。
音の響きも正面席に比べると劣ると思う。
「皇帝」が始まった。最初のピアノの印象は、穏やかで優しい。
弦楽器のピッチカートとピアノの重なりあいの響きはウットリするほど美しかった。
もちろん、強い箇所はバーンと力強い。
全体としての印象は最初と同じ、柔和、穏やか、流麗という感じ。本人と佇まいもあって、優しい音楽と言う感じだ。
プログラムを見ると「チョ・ソンジンは美しさ、哀愁、激しさを持つピアニスト」とあった。今回は、「激しさ」は曲の感じもあって、あまり感じなかった。
休憩。
ふと見ると着物姿の大柄な美しい人、なんと檀ふみさんだった。ステキだった。
それと近くに見たことのある若者がいて、「牛田君じゃないし」と思ったのだが、ひょっとして藤田真央さんだったかもしれない。
前の方の席にはハイヒールのおしゃれな方、鮮やかな緑のワンピースを着こなしている女性など、音楽関係のアーティストかなと思われる人々がいらっしゃった。
ベートーベン3番「英雄」
目の前がコントラバスなので、「あ、ここでこういう風にバスの音が入るのか」とよくわかった。それにしても奏者は大柄だなぁと思った。
席が低い位置で右端だからオーケストラ全体が見えないのはとても残念。特に管楽器の演奏姿は見たかったな。
それでも、家でテレビやプレーヤーで聴くのと違って、ホールでは音が立体的に聴こえる。厚みがある。生演奏の良さだ。
それとケルン放送交響楽団はさすがにドイツのオーケストラなのでベートーベンは手慣れているなぁと思った。
英雄を聴きながら、ドナルド・キーンさんのお話を思い出していた。戦争で捕虜となった日本人兵士と接していたが、ある時その中の一人から「英雄」を聴きたいと言われた、それでレコードをかけた、という話。
その兵士はどのような思いで「英雄」を聴いたのだろう。平時は音楽好きの、多分学生生活をおくったことのある兵士だったのじゃないだろうか。
私はいつも英雄の4楽章かな、途中で曲調が代わるところがあるのだけど、あれを聴くと「軍歌」のようだと思う。つい「若鷲の歌」(予科練の歌)を思い出してしまうのだ。
ベートーベンの「英雄」はよく知られているようにナポレオンに献呈するつもりだったが、ナポレオンが皇帝になってしまったので献呈を止めた。ベートーベンはどんな気持だったのか等と、とりとめもないことを考えていた。
私が取り留めもないことを考えているということは、没入していないことだ。今一つ乗りきれなかった。
曲が終わると「ブラボー」の声がかかった。いろんなところからブラボーの声が聞こえた。
アンコールはこちら。

ブラームスは優しく美しかった。オケのアンコールはベートーベンということは分かったが、何番かはもう記憶力がない。わかるのは5番、7番、9番だけ。6番も最初の楽章しかわからない。
家に帰りついたら11時近かった。都心に出かけるのが段々きつくなる。六本木一丁目まで日吉から乗った南北線は「浦和美園行」だった。この終点まで日本代表戦@埼玉スタジアムを見によく行ったなぁ。今じゃとても考えられない。
結局このコンサートで一番印象的だったのは壇ふみさんの和服姿でした。
