2007/7/23

足立区 学力テスト「不正」問題 関連記事  障害者問題・教育問題

*ついに、食や介護だけでなく、小学校の教育現場でも出てきた、足立区の学力テストの「不正」問題。競争社会の行き着く果てか・・。
 東京新聞が続報も含めて詳しい記事を掲載している。果たしてきちんと処分をして変えていくことが出来るのか? それとも、うやむやにされてしまうのか? 

(ニュース)
校長主導学力テスト不正 足立区の公立小 昨年の試験、誤答指さす
2007年7月8日 東京新聞 朝刊
 昨年四月に実施された東京都足立区の学力テストの際、区西部にある公立小で、試験中に教員が児童の答案を指さして誤答に気付かせる不正を行っていたことが七日、分かった。共同通信の取材に対し、六人の教員が「校長の指示があった。校長自身も教室に来て、自ら率先して『指さし』をした」などと証言した。 

 校長は「日常の指導の一環でノートや小テストを指さすことはあるが、学力テストではやっていない」と否定。区教育委員会は「テストは適正に行われたと考えている」とする一方、事実関係を把握するため、調査を始めた。

 足立区はテストの順位を公表しているほか、学校予算の傾斜配分や学校選択制を取り入れており、教育関係者からは「競争原理の導入が不正の背景にあるのではないか」との指摘も出ている。

 同小は区内七十二小学校中、二〇〇五年は四十四位だったが、不正のあった〇六年は一気に一位になっている。

 テストは昨年四月二十五日、小学校では区内の二年生から六年生を対象に国語と算数で実施された。同小の複数の教員は試験中に机の間を歩き、答案に間違いがあると、問題を指さして児童に気付かせた。

 教員らによると、校長も教室の中に入り、自ら指をさした。教室内で教員に「指さし」を促すような態度を取ることもあったとしている。

 教員の一人は「指をさして意味の分かる児童とそうでない児童がおり、不正ぎりぎりだと思った。校長の指示があったかどうかと言えばイエスだ」と証言。教員らは「校長は学校の平均点を上げるのが目的だったのだろうが、あんなやり方で一位になっても子どもは喜ばない」と話している。

 また、校長は、本来すべてをそのまま回収しなければならないのに、〇五年のテストの問題をほとんどメモし、翌年の児童に練習問題として繰り返しやらせていた。

 翌〇六年のテストは、九割以上が〇五年と同一問題だった。

 校長は「(〇五年の問題が)良かったので参考にした。翌年も同じ問題が出るとは思わなかった」とする一方、「過去問をやらなければ一位にはならなかったと思う」とも話している。

 区教委は「メモを取ったのは不適切な行為」としている。

勇気ある不正証言
 教育評論家の尾木直樹法政大教授(臨床教育学)の話 学力テストをやれば必ず指さしなどの不正が起きる。答えを丸暗記するほど過去問を繰り返しやらせ、通常の授業時間が削られるような状況も生まれるなど、学力テストを行うことでかえって基礎学力が落ちてしまう。不正を証言した教員はとても勇気がある。子どもに対する本当の愛情が感じられ、生き方そのものが教育者としての姿勢を示している。管理が強まる学校の中で、不正があっても声を出せない教員は少なくない。全国では同じような問題がたくさんあるはずだから、後に続く人が多く出てきてほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007070802030557.html

不正行為校長認める 足立区教委調査公表 小中4校でも発覚
2007年7月17日 東京新聞 朝刊

 東京都足立区が昨年四月に実施した学力テストをめぐり、区立小学校の一校で教諭が誤答を指さしして児童に気づかせる不正行為があったと指摘された問題で、同区教育委員会(斉藤幸枝教育長)は十六日、記者会見。当初不正を否定したこの小学校の校長が、指さしや、禁止されている前年度の問題を使った練習の実施などをしていたことを認めた、とする調査結果を公表した。

 また、この学校以外にも、区立の小中学校計四校で、前年度の問題をテスト直前に解かせる不正が行われていたことも判明。斉藤教育長は「管理不行き届きだった」と謝罪し、今後、第三者を交えた検討委員会を設け、テスト結果の公表方法のあり方などを検討する方針を示した。

 区教委は最初に問題が指摘された小学校に当時勤務していた全教員から聞き取り調査を実施。この結果、校長と教諭五人が、テスト中に解答を誤っている児童に対し、問題文を指さすなどして気付かせる不正をしていたことが分かった。また、校長は翌年度も同じ傾向の問題が出ることを認識しながら、二〇〇五年度のテスト後に問題文をコピーし、昨年四月のテスト直前に解く練習をさせていたことも確認した。

 区教委はこれらの不正について「管理職からの指示があって行われた」と述べ、学校ぐるみで不正が行われていたとの認識を示した。

 さらに同校以外の区内全小中学校計百八校に対しても、テスト前の学習状況などを調査。二小学校と一中学校の一学年で、試験直前の四月中に一度、前年の問題を解かせていたほか、別の小学校一校では二−六年生に二−五回、練習させていたことが分かった。

 区教委は、今回の問題の背景に「点数だけが独り歩きしたきらいがあった」としている。

『学校競争』に警鐘

 足立区は学校ごとの学力テストの成績公表や予算配分への反映の検討など、テスト結果で学校を競わせる施策を強力に推し進めてきた。区内の学校現場で生じたゆがみは“学力テストによる学力向上策”の是非を問う議論に一石を投じている。

 一九五六年度に始まった国の学力テストは、地域間の競争激化を招き、成績の悪い子を休ませるなどの過剰反応が起きたとして六六年度を最後に中止された。しかし九〇年代後半から学力低下批判がわき上がったことを背景に、独自に学力テストを実施する地方自治体が増加。国の学力テストも今年、復活した。

 都教委は二〇〇三年度から都の学力テストについて区市町村ごとの平均正答率を公表。足立区教委の斉藤幸枝教育長は「足立区は学力がかなり低い。社会に出ていくには最低限の学力は必要」とこの日も危機感を強調した。しかし学校を競わせることでの学力向上策は結果として区教委が禁止していたテスト問題のコピーなどのルール違反に学校を追い込んだ。国の学力テストの反省は生きなかった格好だ。

 帝京大学の市川博教授(教育学)は「学校選択が学力評価中心で行われているという実態がある限り、今回のような問題が出てくる。そもそも業者にテストを委託している現状で、学力向上の目的が達成できるのか。先生が採点して課題を把握しないと意味がないと思う」と話している。(早川由紀美、小林由比)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007071702033099.html

足立テスト不正問題 区教委も認識甘く
2007年7月17日 東京新聞

「足立区学力向上に関する総合調査」においての不適切な行為について、調査結果を報告する斉藤幸枝教育長(中)ら=足立区役所で

 学校ぐるみの「誤答指さし」や、複数校での不正な事前練習などが十六日、明らかになった足立区の学力テスト不正問題。調査報告からは、何度か問題を認識する機会があったにもかかわらず、見逃し続けてきた区教委の認識の甘さも浮かび上がった。

 報告によると、事前練習をした小学校のうち一校は昨年四月のテスト当日、前年度と問題がほぼ同じだったことに気づき、区教委に報告していた。しかし、区教委は「他の学年の平均点の伸びなどからみて影響はなかった」として問題視せず、そのまま集計していた。

 区教委によると、指さしを行った小学校の校長もテスト当日、問題が直前に練習させた前年度の問題とほぼ同じことに気づき、「大変なことだと思った。すぐに報告すべきだった」と話しているという。斉藤幸枝教育長は、「この時点で他校の実態を把握していれば、学力調査全体に対する影響を最小限にとどめられたのではないか」と、不手際を認めた。

 また、学力テストは実施当初から、同一校内での学力の経年経過をみるため、ほぼ同じ問題が出されることが分かっていたにもかかわらず、区教委は各校にテスト問題のコピー禁止を伝える際、業者の著作権のみを強調。「同様の問題が出ることを伝えなかったため、コピーしないよう徹底できなかった」と釈明した。

 そもそも、二〇〇五年に四十四位だった同校が、不正のあった〇六年にいきなり一位になったことに、不自然さは感じなかったのか。斉藤教育長は「区内で最も図書館が充実し、図書学習などに力を入れていた。学習の仕方でこんなに成績が上がるんだという驚きと喜びしかなかった」と説明。「(テスト自体を)元凶のようにとらえる向きもあるが、改善することで学力を上げる有効な手段になりうる」と強調した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20070717/CK2007071702033107.html

*同じ足立区ではこんなことも。

学力テスト:障害持つ児童の答案を採点から除外 足立区
 東京都足立区教育委員会は7日、昨年4月に区が独自に実施した学力調査(テスト)で、トップの成績の小学校が、保護者の了解を得ずに情緒障害などのある児童3人の答案を採点対象から除外していた、と発表した。区教委は「保護者に説明せずに不適切だった。申し訳ない」とコメントした。
 区教委によると、学力調査は、小学2年〜中学3年生を対象に04年度から区が独自に実施し、各学校ごとの順位を公表している。この学校は、05年度は44位だったが、06年度はトップになった。
 3人はいずれも6年生(当時)で、情緒障害などが見られる。普通学級に在籍しているが、週に何回かは別の学校の特別なクラスに通っていたという。
 3人はテストは受けたものの、「文章を理解する力が通常より難しい」などの理由から、校長の判断で採点対象から除外した。区教委は事前相談や保護者の了解があれば、問題の理解が難しい児童の採点除外を認めているが、この学校はその手続きをしなかった。校長は「怠った」と説明しているという。3人の児童の親のうち2人は校長の説明に納得していない。
 同区では、学校選択制を02年度から実施しており、成績の上位校に入学希望者が集まる傾向にある。この学校は、誤答している児童の机を教師がたたくなどの疑惑も指摘されているといい、区教委は、さらに調べる。区教委は「児童に対する配慮」を理由に、学校名は明らかにしなかった。
【吉永磨美】
毎日新聞 2007年7月7日 22時27分 (最終更新時間 7月7日 23時28分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070708k0000m040114000c.html
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2007/7/23  1:32

投稿者:kusukusu

(前のコメントの記事の続き)

 ルポライター・鎌田慧さんの話 「子どもの障害」などを勧奨理由に挙げるのは、民間企業でも聞いたことがない。労働者の人権や権利意識がなく、障害者差別にもつながるのではないか。都教育庁は日の丸・君が代の問題でも力任せの行政をしており、あらゆる面で逸脱している。
毎日新聞 2007年7月8日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070708k0000m040123000c.html

2007/7/23  1:29

投稿者:kusukusu

補足
*これは偶然だろうが、同じ日(7月8日)に次のようなニュースも。
 「子の障害」を理由に親に退職を勧めるなんて、ほんとに変な話だ。どうなってるの?

退職勧奨:「子の障害」も例示した文書を通知 都教育庁
 校長らの勧めに応じて教職員を早期退職すれば退職金を割り増す制度をめぐり、東京都教育庁が退職を勧めるケースとして、「子の障害」などを例示した文書を市区町村教委や都立高校などに通知していることが分かった。厚生労働省は職業と家庭の両立を目的とする育児介護休業法の趣旨に照らし「好ましくない」と指摘し、学校現場や識者からは「介護を抱え全時間出勤できない教員は不要ということか」と疑問の声が上がっている。
 制度は、50歳以上60歳未満の教職員が対象。校長や各教育委員会の所属長から退職するよう勧められ、本人が応じた場合に適用される。
 都教育庁は制度の周知を図るため、3月27日付で趣旨などを記した通知を出し、管理者向けに具体的なケースを示したQ&Aを添付した。
 通知では、対象の教職員に退職を勧める理由として「疾病」「介護・育児」を挙げている。Q&Aでは「育児」の具体例として、「3歳以上の子供の場合で、育児を手伝ってくれる家族等がおらず、本人が育児を行わなくてはならない場合」「子に先天的、後天的な障害がある等、育児に特段の事情がある場合」と明記した。
 通知について、厚労省は「育児介護休業法は、家族の役割として育児や介護を円滑に果たすことを基本理念として示している。育児や介護を理由に退職を勧めるのは、法の趣旨に照らして好ましくない」と指摘する。
 また、日本が95年に批准した国際労働機関(ILO)の「家族的責任を有する男女労働者の機会および待遇の均等に関する条約」は、「家族的責任自体は雇用の終了の妥当な理由とはならない」と規定。厚労省は、この規定に違反する疑いも指摘している。
 都教育庁職員課は「例示した理由で退職を強制・強要することはありえない。学校現場に懸念や誤解を生んでいるとすれば、それを払拭(ふっしょく)したい」と話した。【高山純二】

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