2008/3/21

『座頭市御用旅』  映画

『座頭市御用旅』
1972年 勝プロ、東宝
監督 森一生
出演 勝新太郎、森繁久彌、大谷直子、三國連太郎

浅草名画座で。座頭市シリーズ23作め。
森一生監督の映画作品としては最後のものになるらしい。(テレビ作品はこの後も手がけている。)
話は定番という感じで、市が火攻めにあうシーンなど、見所はあるが、突出してすごいという程ではない。これが三隅研次監督作品だったら、こうしたシーンはもっと映像美が凝った名シーンになっていたかもしれない。と書くと、三隅監督より森監督のほうが力がないように思われるかもしれないけど、そういうことではなく、監督の持ち味の違いで、森一生監督の映画には三隅研次監督作品のような、おおと思わせるような凝りに凝った映像美のシーンはあまりないかもしれないけれども、森一生監督の場合は個々のシーンはシナリオの文字を忠実に映像にしているのかもしれないけれども、そのかわりにじっくりと物語を聞かせる感じがする。エピソードもてんこ盛り(森一生のモリは「てんこ盛り」のモリかも・・)であるが、それが散漫にならずに物語として流れている。
この『座頭市御用旅』の場合は、ナレーションを浪曲のような語りにしていて、これが物語の語り口とうまく結びついて作用しているような気がする。
また勝新太郎が耳をくるくると動かすシーンがあったのだが、これはもちろん特殊な撮影をしているわけではなくて勝新太郎が芸としてやってみせたのだろうけど、もしかしたらまさに「シナリオの文字」そのままにやったシーンなのかもしれないけど、妙に味わいがあって、こういうのがある意味で文字そのままをきわめた面白さということなのかもしれない・・なんて、ちょっと思ったりした。
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