2008/5/7

チベットは独立国だったのか?  時事問題

*前記事
基礎から分かるチベット問題(毎日新聞)
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1373.html

前記事のコメント欄で補足で書いたことの続きだけれども、ダライ・ラマ14世の考えのほうが「まだ現実的なのかも」と書いたけれども、それは世界的にアピールする上では効力を持つのではないか?という意味でそう思うのだけど。

(ダライ・ラマ14世の考え)
ダライ・ラマ法王14世による五項目和平プラン
http://www.tibethouse.jp/cta/5point_peace_plan.html

中道のアプローチ:チベット問題解決に向けての骨子
http://www.tibethouse.jp/cta/middleway.html

だがしかし、それでは「現実的」に中国がこうしたダライ・ラマ14世の要求をのむかというと、かなり難しいような気がする。いかに国際的に批判されても、中国としてはダライ・ラマ14世の案を受け入れたら実質的には各少数民族の独立を認めていく形になっていってしまうから、認めるわけにはいかないのだろう。
特に、毎日新聞の記事でも以下のようにあるけれども、

>89年にもラサで暴動が起き、戒厳令が敷かれる。自治区トップの共産党委書記が胡錦濤国家主席で、住民の生活改善に力を入れる一方、「独立分子」には厳しく対処。当時の最高実力者、トウ小平氏に評価され、49歳の若さで最高指導部の党政治局常務委員会入りするきっかけになったとされる。

現在の胡錦濤国家主席はむしろチベットなどの弾圧の功績で最高指導者になったような人物なのであるから、胡錦濤がやっているうちはダライ・ラマ14世の案を中国側が受け入れることはなかなかありそうにない。
結局、中国側としては、先送りにして、ダライ・ラマ14世が亡くなるのを待っているのではないかと思うのだけれども・・。

それと、ダライ・ラマ14世はチベットは中華人民共和国に進駐される以前は独立国だったと主張しているが、ここも中国側と見解が分かれているようだけど、毎日の記事では簡略に以下のようにこの事情を説明している。

>1911年の辛亥革命で清が倒れ、チベットは13年にモンゴルと「蒙蔵条約」を結び、互いに独立国として承認。住民に「独立」を宣言した。だが、独立をめぐるチベットと中華民国の間の紛争調停のため、英国を交えて開かれたシムラ会議では、チベットは中華民国の主権下に置かれ、英国に
アッサム地方との国境線(マクマホンライン)を認めさせられた。

これによると、チベット人自身の意識としては、「モンゴルと「蒙蔵条約」を結び、互いに独立国として承認。住民に「独立」を宣言した」時点で、独立国になったという意識だったのだろうか。だから、ダライ・ラマ14世はチベットは独立国だったと主張されているわけである。
しかし、国際的にはチベットは独立国として認められていなかったということなのだろう。「英国を交えて開かれたシムラ会議では、チベットは中華民国の主権下に置かれ、英国にアッサム地方との国境線(マクマホンライン)を認めさせられた。」というのが国際的な認識であったわけだ。だから、中国側の、チベットは独立国ではなかったという主張も間違いではないわけである。それにしても、イスラエル、パレスチナ問題でもそうだけど、ここでもイギリスが中華民国に「チベットは中華民国の主権下」と約束したことが問題の発端になっている・・。イギリスってやつは・・。ロンドンで聖火リレーに抗議活動をした英国の諸君には、自国の過去も反省してほしいものです。
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2008/5/9  1:06

投稿者:kusukusu

こういう言い方をするとまた話が混乱するかもしれませんが・・

それは歴史的な経緯とか、条約の解釈とか、そういうのでどちらの主張が正しかったか?ということはあるとは思いますよ。
その意味では、チベットは独立国だったという主張のほうが正論かな?とは思います。
ただ一方で、とにかく歴史的事実として、当時の人々はどう思っていたのか?ということで言うと、
「チベットの人達はチベットは独立国だと思っていた」「中華民国の人達はチベットは中華民国の主権下と思っていた」ということはそれぞれ、「事実」ではあったのではないでしょうか?
だから、どちらも、「事実」であることは間違いではないわけです。
実際には中華民国の人達もチベットは独立国だとずっと思っていたんだけれども、後になってそうではないと言い出しているわけではなくて、中華民国の人達はずっとそう「思っていた」のではないか?ということです。
もちろん、これは「間違ったことを思いこんでいた」ということかもしれませんよ。でも、とにかくそう「思っていた」ということ自体は「事実」であるわけですから、嘘ではないわけです。

たとえば、竹島の問題で、日本の主張と韓国の主張のどちらが正論か?ということは置いておいて、「日本人は竹島は日本の領土だと思っている」「韓国人は竹島は韓国の領土だと思っている」ということはそれぞれ「事実」であり、嘘だとは言えないのと同じことです。
間違ったことをそう思っているのだとしても、「間違ったことを思い込んでいる人達がいる」ということ自体は「事実」であるからです。

2008/5/9  0:05

投稿者:kusukusu

それと、現実的に、たとえば日本でも戦前の教科書ではチベットは独立国になっていないと思いますよ。中華民国の中に含まれている地図になっていたのではないでしょうか?日本人は中華民国に対して侵攻する(「侵略」と書くと、そうではないという人もいるかもしれないので「侵略」ではなく「侵攻」と書きますが)戦争を始めた時、チベットを含む中華民国という国に対して戦争をしていると思っていたのであり、チベットは中華民国とは別の国だとは思っていなかったはずです。つまり、日本人だって、当時、チベットを独立国として認めていなかったのではないのですか?もちろん、主張としてはチベットは独立国だったというほうが正しいと思うのですが、中華民国の人達はそう考えていなかったのでしょうし、中華民国と戦争をしていた日本だってそうだったのではないでしょうか?

2008/5/8  23:07

投稿者:kusukusu

またイギリスに関しては、イスラエル、パレスチナの場合もそうであったように、中国とチベットに関しても、双方に調子のいいことを言ったり、絶えず言うことを変えてきています。結局はイギリスは自国の利益しか考えてないのです。そうしたイギリスの姿勢が混乱を招いていることは間違いないと思いますよ。

2008/5/8  21:50

投稿者:kusukusu

コメント、有難うございます。
あのー、もしかしたら誤解されているかもしれませんが、僕はチベットは独立国ではなかったなんて考えていないし、言っていませんよ。わざと意識的に「チベットは独立国ではなかったという主張も間違いではない」と僕は書いたのであり、つまり解釈によってはそういう理屈も成り立つだろう・・という意味で「間違いではない」という言い方をしたのであって、何も中国側の主張が正しい・・なんて言っていません。
僕の文章力が足りなくて誤解を招いたのかもしれませんが。すみません。

2008/5/8  18:56

投稿者:はぶ

はじめまして
チベットを検索して辿り着きました。

やはり新聞の特集記事は帯に短しタスキにも、
やっぱり短いです。
ちょっと分厚いですが、「チベット史」(ロラン・デエ 著 今枝由郎 訳 春秋社)を強力にお勧めします。
チベットが独立国である根拠がなぜ不明確なのか理解できますし、今の中国が主張していることがいかに荒唐無稽で失笑ものであるかも解りますよ。ちなみに私は、以前は懐疑的だったチベット独立国について、今は自信を持って独立国だったと主張しています。

http://timayoi510.blog.shinobi.jp/

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